ポルト(その2)


 ポルト(Porto)は見どころが狭い範囲に集まっているので,1日あれば十分に見て回れます。まずはノッサ・セニョーラ・ド・ピラール修道院からドン・ルイス1世橋を愛でて,次にかつて商業組合の建物であり財力を見せつけるために資金が注ぎ込まれたボルサ宮の建物を見学し,バロック装飾で飾られまくっているサン・フランシスコ教会に参拝し,サン・ベント駅では壁面を飾るアズレージョを見て,クレリゴス教会の塔に昇って街並みを眺望し,レトロな路面電車を追いかけ,ソアーレス・ドス・レイス美術館で絵画を鑑賞し,アールヌーヴォー様式のカフェマジェスティックポルトガル風のクロックムッシュである「フランセジーニャ」をいただいてきました。
 ちょっと不思議なのは,美術館の収蔵品の質があまり高くなかったこと。室内装飾には贅を尽くしているので資本の蓄積があったことは見て取れるのですが,絵画に投資する環境が育たなかったのでしょうか……。

ポルト(その1)

 今年度も無事に学事日程を終えられたので,年度末に2週間の休暇を取ってイベリア半島へやってまいりました。
 今回の主たる目標は,未踏になっていたスペイン北西部のガリシア地方を見てくること。かれこれ20年近くスペインに通い続けているのですが,東部の町バレンシアに拠点を置いているため,イベリア半島の西側がどうしても行きづらい場所になっております。いろいろと経路を検討しまして,日曜日の2030にKUH釧路を出発して東京へ向かい,HND羽田空港を深夜0030に出るAFエールフランスのパリ行きに乗り,CDGパリからBCNバルセロナへ,その後VYブエリング航空のOPOポルト(Porto)行きに乗り継ぐという行程。到着は月曜日の1210なので,移動だけで所要24時間を超えてます。

 ホテルに荷物を預けたところで,さっそく旧市街を見に出かけました。最初に向かったのは《世界で最も美しい書店》と名高いレロ・エ・イルマオン。……確かに,この階段は構造的に興味深いし,本を搬入するためのトロッコがあるのも面白いのだけれど,書店としてはどうなんだろう? 観光名所になってしまって,本を探す雰囲気ではありませんでした。記念に何か1冊買い求めようとしたのですが,人混みが嫌で早々に退出。



 ドウロ川にかかるドン・ルイス1世橋を渡って対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアへ渡り,ワイナリーを見学してポートワインの試飲(EUR5.0)。ホワイトとルビーの2種類を味わってみたのですが,甘みの残る酒精強化ワインよりも熟成させた普通のワインの方が好みだと確認できました。



 夕食はシアン・キ・フュムで。ガイドブックに「庶民が通う」「安くてボリュームがある」と書いてあったので行ってみたのですが,まさしくその通りで。前菜にサラダを頼んだら直径20cmの皿に山盛りで出てきました。さらにメインに頼んだ豚とアサリのアレンティージョ風は優に2人分はあるのに,さらに付け合わせでライスとフライドポテトがこんもり。滞在中,行く先々で出てくる食事の量の多さに苦労したのですけれど,これもポルトガル独自の食文化なのでしょうか。

石川孝織『釧路炭田 炭鉱(ヤマ)と鉄路と』

 勤務校の図書館に要望して入れてもらった本を最初に借りてきました。著者は釧路市立博物館の学芸員であり,本書は北海道新聞に連載された記事をまとめたもの。石炭と鉄道が主役であった昭和20〜30年代の写真にていねいな解説が添えられている。実に興味深い産業史。惜しまれるのは,地図があまりに簡略に過ぎて記事に登場する場所が把握できないことでしょうか。
ISBN:4905307082

『シンフォニック=レイン』 舞台探訪

ピオーヴァ


右は,ミラノ中央駅。筆者撮影。

コンサートホール

右側は,ミラノの「スカラ座」(Teatro alla Scala*1

2006年9月,ミラノまで取材に行ってきました。改修工事を経て,外壁の色合いが淡く変わっています。

天蓋

右側は,ミラノの「ヴィットーリオ・エマヌエーレII世のガッレリア」(Galleria Vittorio Emanuele II)

教会

右側は,フィレンツェの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」(S. Maria del Fiore)*2

柱廊(ポルティコ)


右側は,ボローニャのポルティコ(portico)。筆者撮影。


作中画面のキャプチャーを引用しています。

*1:るるぶワールドガイド イタリア』(ISBN:4533052592)より引用。

*2:フィレンツェのシンボル「ドゥオーモ」のこと。筆者撮影。

藪田 → 西岸 → 和倉温泉


 北陸まで来たので,近くの舞台を取材しに行ってきました。昨日の研究会に,はるばる広島からおいでいただいたKさんがお帰りになる途中のお車に同乗させてもらいまして,まずは『true tears』の藪田バス停へ(でも,待合室には『ほしのふるまち』の事しか紹介されていませんでした……)。
 次いで,のと鉄道の西岸駅へ。たまたま『花咲くいろは』ラッピング電車(ただし,2両編成のうち片方だけ,という運用)に乗ることができました。帰りの列車を待つ40分間に「駅ノート」を閲覧して,仮説の検証作業をしてきました。やはり(のと鉄道には乗らず)自家用車を使って訪ねてくる例が多いようです。
 のと鉄道の路線図を見ていたところで和倉温泉駅が『痕−きずあと−』の舞台になっていたことを思い出したので,降り立ってみました。鶴来屋のモデルとなった加賀屋を見ておこうと歩いていったのですが,片道2.4kmは遠かったです(でも満足)。