Libro

栗本薫 『絃の聖域』

『ぼくらの時代』が肌に合わなかったのはナウでヤングだったせいなのかと思い,栗本薫による《伊集院大介》シリーズの第1作『絃(いと)の聖域』を読む。古書店で探してきたので上巻は講談社文庫版(ISBN:4061362526),下巻は角川文庫版(ISBN:4041500494…

栗本薫 『ぼくらの時代』

文学研の読書会から,追悼のために栗本薫としてのデビュー作『ぼくらの時代』を取り上げます――との連絡をもらっていたものの都合により不参加。でも本は手配してあったので,この機会に読んでみる。1978年の作品で江戸川乱歩賞受賞作。 幾つか出ている版のう…

東野圭吾 『白夜行』

夜中にふとミステリが読みたくなり,積んであった本の中から東野圭吾『白夜行(びゃくやこう)』(ISBN:4087474399)を選ぶ。 19年前に起こった殺人事件で被害者であった男の息子と,容疑者であった女の娘。歩んだ道はまったく異なる2人であったが,2人の…

米澤穂信 『ボトルネック』

長期旅行から帰ってきてから初めて書店に出かけた月初め,米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)の『ボトルネック』が文庫落ち(ISBN:4101287813)したことを知りました。ハードカバー(ISBN:4103014717)版で買ってあったのに未読のまま積んであったんだよね……。半…

時雨沢恵一 『キノの旅 XIII』

従姉妹の結婚式から帰宅した後,軽く酔いが残っている状態で時雨沢恵一(しぐさわ・けいいち)の新刊『キノの旅 -the Beautiful World- XIII』(ISBN:4048680684)を読みました。心待ちにしているほどではないけれど,1年ぶりの新刊が届くと真っ先に読んで…

泡坂妻夫 『乱れからくり』

文学研究科の読書会に参加。今回のお題は,本年2月に逝去した泡坂妻夫(あわさか・つまお)の追悼で『乱れからくり』(ISBN:4488402127)。1976年の作品であり,翌年には本作で日本推理作家協会賞を受賞している。書名の連絡が来たときに蘭宮涼が思い浮かん…

紅玉いづき 『雪蟷螂』

ドイツ旅行中に思いついたことを原稿として書き出しています。2万2千字まで書いたのですが,今日は熟成を待つためにお休み。 頭を冷やそうと,紅玉いづき(こうぎょく・‐)の第3作『雪蟷螂(ゆきかまきり)』(ISBN:4048675230)を読む。前2作に引き続き,文…

東野圭吾 『名探偵の掟』

先日,某新古書店で東野圭吾(ひがしの・けいご)『名探偵の掟』のハードカバー版(ISBN:4062074001)を105円で購入。文庫や新書だと4年くらい積んであるのが大量にあるのですが,判型が大きいと収納が面倒なので先に読み始めました。 面白い! たまたま出逢…

森田季節 『プリンセス・ビター・マイ・スウィート』

午前中に予備校で講義をして自宅に戻る。午後,仕事をしようかといちど机に座るものの,あまりの暑さにめげる。録画してあった『世界ふれあい街歩き』を観た後,以前,水越柚耶さんから頂戴していた森田季節(もりた・きせつ)の『プリンセス・ビター・マイ…

清野静 『時載りリンネ! #1』

公務員試験予備校のお仕事で,日帰り帯広出張。移動のお供は,清野静(せいの・せい)『時載りリンネ!〈1〉はじまりの本』(ISBN:4044732019)。朝早かったので行きの便ではうとうとしていたし,帰りの便は待ち時間のうちに水分補給の名目で飲んだ発泡酒の…

支倉凍砂 『狼と香辛料 X』

午後に専門学校での出講があって出かけたのですが,通勤の途上でネクタイをしていないことに気がつきました。どうも家を出た時点で変調が生じていたらしい。家に戻ってきたところで身体を起こしているのが辛くなってきたので,横たわりながら支倉凍砂(はせ…

西尾維新 『偽物語〔下〕』

今日は外出の必要が無いから翻訳の方のお仕事をしようかな,と思っていたところにクロネコさんのお届け物。あぁ,もう仕事は取りやめ! 西尾維新(にしお・いしん)の新刊『偽物語〔下〕つきひフェニックス』(ISBN:4062837021)を読んで過ごしました。 大好…

森田季節 『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』

先週,神戸で水越柚耶@神奈井総社さんとお会いしたときに「友人が書いた本です」と紹介されたのが森田季節。第4回MF文庫Jライトノベル新人賞(優秀賞)受賞作家。 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/rookie/rookie_ann04.html 紹介されただけであれば書…

野村美月 『“文学少女”見習いの、初戀。』

学会参加のため神戸へ出張。仕事を終えたあとに新千歳空港から移動。 機内では野村美月(のむら・みづき)『“文学少女”見習いの、初戀(はつこい)。』(ISBN:4757748299)を読む。本編は既に終了しているので《外伝》という位置づけになります。時系列でい…

桑島由一 『神様家族』

授業準備に明け暮れて本を殆ど読めないまま1か月が過ぎてしまいました。 仕事が忙しい時期でも読む習慣をつけないといけないよなぁ(でも,今日は重たいのを読める気力がないし……)と思い,就寝前に桑島由一『神様家族』(ISBN:4840108102)を。 前半の突飛…

白井恭弘 『外国語学習の科学』

日頃,スペインのカレンダーを使っているのでニッポンの祝日がいつだったか不明になりつつあります。いずれにせよ授業に出る日はなかったので,授業準備をしてました。あと,花粉症でぼ〜っとしたり,HDDレコーダーの空き容量を増やしたり。 こんな日ならば…

斎藤環 『文学の断層』

気がついたら,4月に入ってからまったくといってよいほど本を読んでいない。融通の利く時間の殆どを,新しく受け持ったスペイン語の講義の準備に費やしているもので(90分の授業のために丸々2日は文法書を読んだり教材作りをしたりに宛てている今日この頃)…

支倉凍砂 『狼と香辛料 対立の町』

引き続き療養中。支倉凍砂(はせくら・いすな)『狼と香辛料』の第VIII巻と第IX巻「対立の町」上下巻を読む。 第VI巻あたりの段階では目的地の変更に新キャラクター投入があって引き延ばしにかかるのか? という印象が否めませんでしたが,うまく物語と絡ん…

杉井光 『神様のメモ帳』

胃腸炎にかかって起きあがれません。上半身を起こしていると目眩がしてくる……。掛け布団の上にノートパソコンを置いて原稿を書こうとしてみたものの,ちょっと無理。というわけで,症状が落ち着いた合間合間に読書。 寝込んでいるときに読むならこれかな,と…

米澤穂信 『儚い羊たちの祝宴』

米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)『儚(はかな)い羊たちの祝宴 The Babel Club Chronicle』(ISBN:4103014725)を読了。 収められているのは5つの短編だが,それらを大学生が文学に興じる団体「バベルの会」が繋いでいる。とは言っても,桜庭一樹『青年のため…

北村薫 『夜の蝉』

《円紫師匠と私》シリーズ第二作『夜の蝉』(ISBN:4488413021)を読む。 ここしばらく年度末の慌ただしさに身を置いていたので,北村薫(きたむら・かおる)ならば鎮静剤になるだろうか――と思って書棚から取りだしてきたのだけれど,この巻は存外にざわざわ…

米澤穂信 『秋期限定栗きんとん事件〔下〕』

米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)の〈小市民シリーズ〉新刊『秋期限定栗きんとん事件〔下〕』(ISBN:4488451063)を読了。今日もご本が読めて,しあわせ。本当は昨晩,読み始めたのですけれどね。花粉症の薬が効いてきて,物語が佳境に差し掛かったところ――小鳩…

杉井光 『さくらファミリア!〈1〉』

気が晴れるものを読もうと思って杉井光(すぎい・ひかる)『さくらファミリア!〈1〉』(ISBN:4758040125)を開いた。ドタバタラブコメ。 読み進めるうちに,だんだん怖くなった。このネタ(宗教的な意味で)大丈夫なのか?? 杉井さんの身の安全が心配にな…

米澤穂信 『秋期限定栗きんとん事件〔上〕』

米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)の〈小市民シリーズ〉新刊『秋期限定栗きんとん事件〔上〕』(ISBN:4488451055)を買ってきました。前巻を読んでからでも2年ほど待ったのかな。どれくらい楽しみにしていたかというと,買いに行く前の晩に『夏期季限定トロピカ…

野村美月 『“文学少女”と恋する挿話集』

ちょっと深刻な活力低下状態。たまたま講義の依頼が多かった週だったのですが,授業が終わる前に体内のグリコーゲンを消費しきってしまう有様(血糖値が下がって意識が薄れる)。原稿書きのお仕事は来週に振り替えてもらって,どうにか週末になりました。 こ…

玉村豊男 『ロンドン 旅の雑学ノート』

自家用車の車幅灯が切れてしまいました。ボンネットを開けてあれこれ試してみたのですが,ソケットの取り外し方が分からない。自分で交換するのはあきらめ,マツダの販売店へ持ち込み。 修理の待ち時間には,玉村豊男(たまむら・とよお)『ロンドン 旅の雑…

魁 『死神のキョウ』

魁(かい)の『死神のキョウ』(ISBN:4758040028)を読みました。 本編開始3頁目, 「はじめまして,死神です。あなたのことを守りにきました」 とヒロインが自己紹介。導入パターンは安定感ある《ある日突然,女の子が》型。この流れだと,ヒロインの言い分…

二階堂黎人 『カーの復讐』

ここしばらく日程が合わずにご無沙汰していたミステリー読書会ですが,評論家のO森さんが進行役を務められるというので,都合を付けて参加してきました。お題は,二階堂黎人(にかいどう・れいと)『カーの復讐』(ISBN:406270577X)。講談社ミステリーラン…

大槻ケンヂ 『ボクはこんなことを考えている』

大槻ケンヂ(おおつき・‐)のエッセイ集『ボクはこんなことを考えている』(ISBN:4041847036)を読んだ。先週,『さよなら絶望先生』のDVDを借りてきて楽しんだから,という分かりやすい因果関係。 初出は1993年で15年以上前のものだが,内容は古びてはいな…

杉井光 『さよならピアノソナタ 2』

杉井光(すぎい・ひかる)『さよならピアノソナタ 2』(2008年3月,ISBN:4840241953)を読了。 既に全4巻を手元に買い揃えてあるわけですが…… もし,未入手であったならば続刊の購入には慎重になっていたことと思う。第1巻で一度は完結した物語を,続刊まで…