Figueres

 週末を利用して、フィゲラス(Figueres)へ行って来ました。あと30km行けばフランスになるという、国境近くの町です。

 金曜日の10時にバレンシアを出発するバスに乗り、14時20分にバルセロナ北駅のバスターミナルに到着。それから国鉄のサンツ駅へ移動し、切符を購入。ところが、ここで大失敗。巨大なサンツ駅には窓口がいくつもあって、うっかり長距離特急の窓口に並んでしまったのです。目的地のフィゲラスは同じカタルーニャ州にありますから、中距離線(Regional)なのに。初心者ならともかく、はずかしい間違い。いちおー事情を説明しておくと、乗ろうとしていたのが「カタルーニャエスクプレス」というものでして、特急という名前とマークが付いていたのです。赤い文字でRとかCと書いてあれば、迷うことなく中距離/近郊線の方に向かったのに。

 15時50分発の列車に乗り、17時40分に到着。まず今夜の宿へ向かいました。ペンシオン・マジョール(Pension Mallol)に泊まったのですが、「いかにもスペイン」な所だったので、少し詳しく紹介しましょう。ペンシオンというのは、経営者の家の一部が宿泊施設になっているというもので、「貸間」を想像してもらえるといいでしょう。こうした家族経営のところは、鍵を2つ渡されます。1つは部屋の鍵。そしてもう1つは、玄関の鍵。つまり、夜中に出入りするときは自分で開け閉めするのです。日本では、まずお目にかかれない仕組みです。鍵を渡されたあとのセリフは「おやすみ!また明日」なのですから。で、代金を踏み倒して逃げたりしたいよう(?)鍵を借りている間はパスポートを預けます。身分証明を渡すことに不安にを感じるかもしれませんが、持ち歩くより安全ですしね。部屋の中には、洗面台/タオル/寝台/クローゼットがあるだけの簡素なもの。シャワーとお手洗いは、共同のものを使います。これで1泊たったの15.5ユーロ(約2,000円)なので、安く旅行するにはありがたい存在。

 ただ、サービスや内装は値段相応です。カップルで泊まると、別離の危機が迫るであろうことは想像に難くありません。ベッドカバーが日に焼けたような薄茶色というのは、実際以上に古ぼけて見せてしまうので、ちょっと損をしているように感じました。清潔さは保たれていましたので、ペンシオンというものを理解したうえで泊まるなら悪くない所です。あと、同じ階に泊まっていたフランス人の声が大きかったのですが、これは施設のせいではないですね(^^;

 あと、予約を入れたときの話。日本人の名前はわかりにくいですから、電話では「私は日本人です。これから、苗字の綴りを言いますね」と予告するようにしています。ところがこのペンシオン、日本人と言ったところで返答があって「あー、名前はいらないわ。うち、日本人の客は珍しいから」と簡単に予約できてしまいました(笑)

 夕暮れも過ぎようかという時間だったのですが、カタルーニャ玩具博物館(Museu del Joguet de Catalunya)へ行ってみました。えー、「おもちゃが大好きで鑑定団の某氏に弟子入りしたいと思っているコレクター」なら、ついでの機会に行ってみてください。

 日が暮れると、思いっきり寒い。地中海沿岸を6時間ほど北上してきたので、かなり冷えます。あてにならない街角の温度計では、10℃を下回っていました。どこかで食事でもと思っても、観光客が泊まりがけで来るような場所ではないので、飲食店がほとんどない。小雨がぱらついてきたので、手近なファストフード店“Pans”でボカデージョ(フランスパンのサンドイッチ)とパタタ・ブラーバ(フライドポテトにニンニクの風味をきかせたマヨネーズをかけたもの)の軽い夕食で済ませました。で、とっとと寝る。