Londres (3)

 10時16分、カスウェル・ホテルをチェックアウト。
 10時18分、ブレア・ビクトリア・ホテル(The Blair Victoria)にチェックイン。つまり、すぐ裏に引っ越したんですよ。安宿の場合はハズレだった時の痛手が大きいので、リスクの分散をさせてみました。1泊£(UKポンド)39。朝食をイングリッシュ・ブレックファストにするための追加料金が、1食あたりポンド3.5。両方ともコストはほとんど同じなのですが、これは予約割引があるため。正規料金は、カスウェルが£45に対し、ブレア・ビクトリアは£60(ツインのシングルユース)。値段分だけの差はありました。内装は、ブレア・ビクトリアの方が1段上。こういった違いは実際に泊まってみないとわからないので、見比べてみるための渡り歩きなのです。
 ただ、難点はシャワーが固定式だったところ。ホース式でないと、身体の方をくるくる回転させなければいけないんですよね。余談になりますが、ホラー映画で美女がシャワーを浴びているところを襲われるというシーン、あれ固定式でないとマヌケですよね。これがホース式だった場合、とっさにシャワーを向けて熱湯を浴びせかけると思うんですよ(笑) なにも応戦しようがない固定式である必要があるような気がする。
http://www.blairvictoria.com/
 10時58分、歩行(かち)にてウェストミンスター寺院Westminster Abbey)に詣でけり。ちょうど11時を告げる鐘が聞こえてきたのですが、学校のチャイムをそっくり真似たような音階でした(←お約束)。かねてより気になっていたのは、何回鳴るか。私が通っていた中学では16回の打鐘だったのですが、高校ではその後にさらに3度、同じ音階で鳴っていたのです。数えてみると19回で、高校式でした。ちなみに音源は、お隣の国会議事堂(House of Parliament)にそびえるビック・ベン(Big Ben)。私、ずっと教会の鐘の音だと思ってました(^^;) 議事堂の正式名称は“The Palace of Westminster”だそうなので、「ウェストミンスターの鐘の音」で間違いないですね。
 さて、戴冠式が執り行われるこの寺院、英国国教会に属しています。スペインの教会(=カトリック)を見慣れた目からすると、かなり変わった造りでした。建物内が明るいのです。スペインに多いゴシック様式の大聖堂は窓が少なく薄暗いのが定番なのに、さんさんと光が差し込んできます。宗教建築にもお国柄がありますね。
http://www.westminster-abbey.org/
 11時50分、テムズ川にかかるランベス橋を渡り、対岸から国会議事堂とビッグ・ベンを眺める。ここで撮った写真を見せれば何処を旅行してきたか説明不要なほど、ロンドンらしい風景が拝めます。
http://www.parliament.uk/
 12時27分、川沿いに上流へ向かい、テート・ブリテン(Tate Britain)へ。英国の近代絵画を扱う美術館で、ターナー(J.M.W.Turner)の作品を主軸に据えていました。
http://www.tate.org.uk/
 ピムリコウ(Pimlico)駅から地下鉄に乗車。今日は“Day Travelcard, Off-Peak”という1日乗車券を購入(£4.3)。札幌の地下鉄は初乗り200円で高いと言われるのですが、ロンドンは£2(=400円)なので倍。でもトラベルカードを買ってしまえば、かなりお得です。
http://www.londontransport.co.uk/
 13時53分、ギルドホール(Guildhall)の図書館へ。まず観光客は行かないような場所なのですが、ここにはロンドンの古地図があるんですよ。同じ場所を数十年ずらして見比べると、街を発展させてきた人間の営みを知ることができるのです。私は地図を見るのが好きなのでいくらでも眺めていられるのですが、30分ほどで切り上げてきました。
http://ihr.sas.ac.uk/gh
 ちなみにロンドンは、もともと2つの町から成り立っていました。ここギルドホールは、そのうちのシティ(City)の中枢であった場所。時代が下って街が大きくなると、境目であった城壁は取り壊されたため判然としなくなってしまいました。それでも街角にあるゴミ箱を見ると、シティに含まれる地域は“Corporation of London”と書かれているのに対し、その外側では“City of Westminster”となっているので区別ができます。
http://www.corpoflondon.gov.uk/
 14時47分、いざ大英博物館British Museum)へ。と、勢い込んで行ってはみたものの期待はずれ。何を不遜なことをと言われそうですが、いくら世間一般の知名度が高くても関心が向かないものは、自分にとって価値が低いのです。例えていうなら「加護亜依より丹下桜さん」、「スピルバーグより大地丙太郎監督」。
 もう少し理由を明確にしておくと、大英博物館の主力は、(1)ミイラ、(2)彫刻、(3)メダルや硬貨です。(1)は、呪われそうなのでご遠慮したい。(2)は、美術室の石膏像を見ているみたい(←はい、お約束)。それに私、2次元フェチなので、彫像とかフィギュアとかリカヴィネとか『週刊わたしのおにいちゃん』よりは、セル画の方がいいなぁ。 (3)は、HSBC香港上海銀行*1)が提供していることもあって中国のものが多かったように感じました。総じて、紀元前の古代史に興味があるなら垂涎(すいぜん)ものでしょうが、私の知りたい「ルネサンス以降の西洋」はヴィクトリア&アルバート博物館の扱っている分野なので(これは明日のお話)。
 かくも有名な博物館なので入場待ちを覚悟していたのですが、すんなり入れました。あまりにも広大なため、それだけ収容人員も大きいのが理由のようです。入場無料なので、窓口に並ぶという手間がかからないのもあるでしょう。ロゼッタ・ストーンやミイラの前などは人垣ができていましたが、それ以外は周囲の人を気にすることなく見学できました。
http://www.thebritishmuseum.ac.uk/
 17時10分、近くの飲食店でフィッシュ&チップスを注文(£8.8)。だから高いってば…… 付け合わせに出てきたのは、マッシー・ビー(緑豆を形がくずれるまで煮込んだもの)。なんか、おだんごに塗って「うぐいす団子」と言ってもバレないような味と食感でした。

*1:李苺鈴野上ゆかな)の声色で読んでください。『劇場版カードキャプターさくら』を参照のこと。