竹本泉 『さくらの境』

 ここしばらく考えあぐねていた原稿に,ようやく目途がつく。すごく短い文章なのだけれど,最高裁(と世論)にケンカを売るとなると,色々ね……。しかし,3か月かけて8,000字という「生産力」の低さは何とかしないとなぁ*1
 きりきりする胃にやさしく効くものを――ということで,竹本泉(たけもと・いずみ)の『さくらの境(きわ)』第3巻(ISBN:9784840116572)を開く。
 『さくらの境』は「ちゅー」「にゃー」「ぼーっ」で出来ている。
 や,それ以外には何とも説明のしようがないんですけれど,これ。でも楽しい。

追記

 昨秋,〈空気系〉という風が局所的に吹き抜けましたけれど,どうしてあの時(id:genesis:20060904:p1)に竹本の名前が出てこなかったんだろう? まぁ,マンガ家は多数いれど,竹本泉は《竹本泉》という絶対的に独立したジャンルなので比較対象としては不適当なのですが。
 未だに〈空気系〉のことを気にしているのは地球上に3人くらいでしょうけれど(g:rosebud:id:cogni:20070114:p3),今でも時折考えてはいるんですよ。前回の考察は,私の関心が《場所性》にあることを表明したところで終わっていて(それからヨーロッパ旅行に出かけた),やり残した感はずっとまとわりついているん。
 ともに共通して《イタリア》という成分を含む天野こずえARIA』と相田裕GUNSLINGER GIRL』,それに舞台探訪(g:legwork)というムーヴメントを起こす原動力となった『おねがい☆ティーチャー』が同時期(2001-02年)に発生していることに関連性を見いだせるのではないだろうか,と思うので。夏葉さんが指摘するところの「バカ背景イズム」(id:K_NATSUBA:20060905)を,もうちょっと咀嚼しないといけない。
 これまた古い話を持ち出しますと,「現代学園異能」という話が盛り上がっていた時に語られていた《学校》という空間の機能と,〈空気系〉の思い描いている場所というものに何か関連がありそうな気が,するようなしないような。うじゃうじゃ。

*1:過日,遅まきながら『げんしけん』を読んで,荻上ちんに対しては感じ入るところがあったらしい。