ヤス 『五日性滅亡シンドローム』

 昨日,店頭に平積みされていた彼女と目線が合った。

 世界が終わるまで,
 あと五日。

という帯に,きゅん☆ときたので購入。こういう後ろ向きな設定が大好きな私。*1
 ヤス(YASU)『五日性滅亡シンドローム -- five days ruin syndrom』(ISBN:4832276379)は,『まんがタイムきらら』掲載のストーリー4コマ。あと5日で世界が滅亡するという噂の広まった学校を舞台に,1日ずつカウント・ダウンが進む。
 本の半ばほどで五日目になってしまったのでどうするのかと思ったら,仕切り直して《第二期》に。再び「あと五日」のやり直しです。

かしまし 5―ガール・ミーツ・ガール (電撃コミックス)
終末の過ごし方

 終局を間近に迎えることになった人々の在り様,というテーマ設定は興味深いのだけれど,テーマに殉じたストーリーの組み立てをしているものが少ないので物足りなさを覚える。それでも《第一期》は未だテーマを描こうとする心意気が透けて見えるのだけれど,《第二期》になると「死神」を登場させてのコミカルさを強調した造りになってしまう。
 最近だと,桂遊生丸かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜』(ISBN:4840239045)が,超展開をかました上で〈終わりへ向かう日々〉を真面目に描いていましたけれど,本作は逆の方向へ向かう。
 かといって,〈世界は終わろうとしているのに営まれ続ける日常〉という路線だと,アボガドパワーズの名作『終末の過ごし方』(1999年,asin:B00008YM2I)との比較をしてしまう。

1週間後に人類滅亡を控えた人々の、非日常という名の日常の物語。
その状況の中で、諦めたように学校へ通い続ける主人公達。
果たしてその先に何があるのか。
ヒロインが全員眼鏡ッ子という点でも妙に注目されてみたりする――おしまいの物語。

http://www.abopa.net/product/shuu/we_t.html

 『五日性〜』は,きらら系の軽妙さが持ち味でもあり,残念なところでもあり。

*1:ちなみに,買い物に出かけたのも「ぼくらの」のチズ編を鬼頭莫宏の原作で読みたくなったから,だったり。