木ノ歌詠 『幽霊列車とこんぺい糖』

 暖房費の節約で早めに布団にくるまってみたはものの寝付くには早すぎたので,木ノ歌詠(このうた・えい)『幽霊列車とこんぺい糖――メモリー・オブ・リガヤ』(富士見ミステリー文庫,2007年10月,ISBN:482916400X)を読みました。
 味覚障害で生理不順で自殺志望の少女が飛び込もうとして出かけてみたら田舎の村を通る路線は廃止になっていた。レールの上で寝っ転がっていたらリガヤと名乗る女の子が現れて――という話。
 プロットはさておき。心情を説明する描写に違和がありました。具体的には,

  • 学資保険で主人公が「あははははっ!」(72頁)
  • パン工房の石窯でリガヤの従姉が「くくっ……」(172頁)
  • 生保勧誘のオバサンが「チコちゃん」連発(189-191頁)

の3箇所。いずれも重要な場面なのですが,こんな言葉で因果の流れが変わっちゃうの?という感じがしてしまいます。