中部縦断旅行(白川郷)

 朝9時に名鉄バスセンターを出発する高速バスに乗り,白川郷を目指す。
 東海北陸自動車道を経由していくので,昨夏に開通したばかりの飛騨トンネルを通っていくのかと思いきや,バスは荘川ICで高速道を降りて国道156号線へ。このルートを通ると,御母衣(みぼろ)湖の西岸を通っていくことになります。

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御母衣湖は電源開発のために作られたダムによる人造の堰止め湖なので,付け替えられた道路は山腹を切り開いて作られています。昭和30年代の技術によるので幅が狭く大型車は対面通行できない。車窓から目をこらしてみると,最近まで使われていたのであろう放棄された橋やトンネルが多数あって,改良工事が進められていることが分かる。風光明媚ではあるが自分では決して運転したくないような道路を30分ほどかけて走行。
 11時48分,白川郷に到着。知人に迎えに来てもらい,今回の旅の同行者と合流。先ほど下ってきた道を戻り,平瀬温泉にある食堂「次平」で昼食会。参加者11名(翌日に1人加わって12名)。

 食後,さらに遡り,来る途中に眺めていた御母衣ダムの取水口へ。雪解けの時期なのに水位が随分と低いのでどうしたことかと尋ねてみると,暖冬のせいで雪がほとんど降らなかったのだとか。

見慣れたコンクリートダムではなく,石と粘土を積み上げて造る「ロックフィル方式」ということで,傍目にはちょっとつつけば崩れてしまうのではないだろうかと感じさせる構造。そのすぐ下には電源開発の広報施設があり,御母衣ダムの建設により村が水没してしまうことに反発した住民によって「御母衣ダム絶対反対期成同盟死守会」が結成された歴史などが解説されておりました。

 それから先ほども昼食の際に立ち寄った道の駅併設の「大白川温泉しらみずの湯」にて入浴。

本日の宿は,白川村が所有する合掌造り民家「好々庵」。今回の旅を企画立案したスタッフが,ふつうの宿泊施設ではおもしろくないだろうということで探し出してきてくれたところ。囲炉裏こそないものの,近代的な調理設備も用意されており,温水暖房も備えています。2階に上がれば,屋根裏がどのように利用されていたかも分かるし,吹き抜けになっているので。メンバーにより自炊して夕食に。ところが,しばらくして問題に気づきました。屋根が自然素材(茅葺き)ということで,昆虫が大量発生します! 「かめむしのぶ頃に」という言葉が造語されたほどに多い。ムシが苦手な人にはつらいでしょうね……。宿泊施設には対策用品が備え付けられていたのですが,カメムシ専用の殺虫剤というのを始めて見ました。
 「好々庵」は合宿をするなら実に面白い施設です(利用料4,000円)。あまり広報もしておらず利用頻度も高くないようですが,ここは積極的に活かされてほしいところですね(利用については村役場に相談するのだそうです)。ちなみに場所ですが,いわゆる「圭一ハウス」の真上です(間に川を挟むので道は繋がっていません)。