フランクフルト

 09時過ぎにホテルを出発して,最初に向かったのはダルムシュタット(Darmstadt)。この町にある州立博物館を観に行こうと思ったのですが,着いてみると工事をしていました…… それならば次の機会に来ましょう,ということで他に予定していた訪問地をすべて取り消し,Sバーンに乗ってフランクフルト中央駅(Frankfurt am Main Hbf)へ移動。駅の構内で購入したパンを齧って昼食にする。
 まず最初に,マイン川のほとりに立つシュテーデル美術館(Stadelmuseum)へ。2日間有効の33館共通チケット(Museumsufer-Ticket, EUR15)を購入。此処は配置が変わっていて,最上階から始まります。代表作はフェルメールの『地理学者』とヨハン・ハインリッヒの『ゲーテ』でしょうか。ヤン・ファン・エイクボッティチェリの名品もありました。興味深いところでは,バロック期のネーデルラント絵画とドイツ絵画とを区別せず同じ部屋に配置しました(そのため,アムステルダムの光景とフランクフルトの眺望が近接して登場したりします)。あと,奇妙なところではフランス絵画がごっそり抜け落ちていて,19世紀を飛び越えて一気に現代絵画になってしまいました。
 次は,シュテーデルから少しばかり下流方向にあるリービークハウス(Stadtische Galerie Liebieg Haus)。エジプトから始まりギリシア・ローマは勿論,様々な彫刻を集めています。集めたはいいけれど本腰を入れて展示をする気がないのであろう品々が地下に無造作に並べられていて不気味でした。観覧後,併設のカフェでコーヒーを飲んで休憩。
 再びシュテーデルの前を通り,ドイツ建築博物館(Deutsches Architektrmuseum)へ。4層のうち,古代から現代に至るまでの住居を再現した模型はともかく,他の層で開催されていた現代建築の企画展はさっぱりでした。応用工芸博物館も工事のため入れず。
 そこで川沿いの博物館はこれで終わりにして,レーマー広場に面する建築群を眺めたあと,ゲーテハウス(Goethehaus)へ。かのゲーテの生家――の実物は戦災で焼けてしまったけれど,疎開してあった調度品を戻して建物は復元したものだそうです。それでも想いを馳せるには十分な空間でした*1。ただ,併設の博物館の方はいただけませんでした。ゲーテと同時代の作家の作品を集めたというのがコンセプトのようですが,端的に言って質の良くない作品が多く混じっていて好感は持てませんでした。
 ここで17時30分になったので,博物館巡りはお終い。最後に大聖堂を見ておこうと足を運んでみたら,外壁は工事中,堂内ではミサを実施中で入れず,せめて裏側を眺めようとしていたら詐欺をたくらんで近づいてきた自称イタリア人に話しかけられること2件でもううんざり。
 日も暮れてきたし酒場で憂さを晴らそうとザクセンハウゼン地区へ向かい,リンゴ酒「アプフェルヴァイン(Apfelwein)」の店『アドルフ・ヴァーグナー(Adolf Wagner)』で名物の飲み物を味わう。日本でリンゴのお酒と言えば「シードル」ですが,こちらは炭酸が入っておらず,もっさりしているので,焼酎から連想を組み立ててもらった方が良さそうな味。食事は,メニューのいちばん上に書かれていた「シュニッツェル」。どちらも美味しくいただきました(計EUR11.4)。
 ホテルに戻ってきて,デジタルカメラで撮った写真をバックアップしようとしたとこで極めつけの出来事が発生。ファイル破損のエラーが出て停止してデータがすべて消滅……(;_;)

*1:ちなみに,ここは『アルプスの少女ハイジ』に登場するクララの実家のモデルになっている,らしい。