谷口正晃監督『時をかける少女』

 平成の女子高生が昭和40年代へとタイムリープしたら? というのを,期待を違えないように作り込んでいます。背景セットとか小道具とか良く作ったね,というのが画面から受ける印象。画面の切り替えにワイプを使うなど,あえて古い映画の手法を使っていて“擬古映画”とでも言うべき造り。
 ただ,大林作品(1983年)とアニメ版(2006年)とを作り手が意識しすぎていて,こじんまりと仕上がってしまたような感想を持ちました。原田知世の『時かけ』を知っている人には「あれがこうなるのか……」という感想を抱かせるものの,そういうコンテクストから外れてしまうと古めかしい演出はダサイだけですし。