長瀞


 出張中の休日を利用して,長瀞(ながとろ)に出かけてきました。鉱物好きにとっては一度見ておきたいところです。それと,『はるのあしおと』の芽吹野駅だし。

 投宿中の熊谷から秩父鉄道に乗ろうとしたところ,今日11月14日は「埼玉県民の日」だとかでフリーきっぷが1000円でした(本来,熊谷→長瀞は片道740円)。当初は,このまま秩父方面まで乗り越して車窓を眺めてこようかと思ったのですが,何故か暖房が最大出力になっていて熱くて耐えられない。長瀞で列車から降りることにしました。まずは河岸の「岩畳」へ。そのまま上流方向へ抜けて「県立自然の博物館」を訪ね,秩父近辺で見られる鉱物の標本を堪能してきました。
 上長瀞駅を経由して再び長瀞駅前に戻り,続いては「旧新井家住宅」へ。近くにあった養蚕農家を移築保存しているもの。見学に入ったところでボランティアの方が説明を買って下さったのですが,「秩父事件なんてご存知ないでしょう?」と話を振られても知らない振りをしてきました(←こんなときに,社会問題の研究者で歴史の講師をやってます,なんて野暮なことは言えない)。
 壮麗な権現造りの社殿を構える宝登山(ほどさん)神社に参拝を済ませた後,ロープウェイで山頂へ。四季折々の花木を愛でるというのが宝登山の愉しみ方のようなのですが,率直に行って,時季外れだと寂しいだけでした。

 下山してから,ガーデンハウス有隣にて遅めの昼食。名物「おっ切り込みうどん」をいただきました。太めでごつごつした麺は,一口目には食べにくく感じましたものの,煮込んだ根菜類と合わせることによって丁度良い食感。味付けは素朴ながらも,ゆずの香りが芳しく,美味しくいただいてきました。

 次は長瀞駅から秩父鉄道に乗車し,終着・三峰口駅へ。駅でもらったリーフレットに,白川橋の上から見る紅葉が紹介されていたので観に行ってきました。橋から半ば下を見下ろすようにして眺めることになるわけですが…… あれ? 橋の下を廃線跡が続いている?? 見に行ってみると,おそらく石灰石を貨車に積み込んでいたのであろう貯鉱場の廃墟がありました。近代建築遺産として興味深くはあったのですが,戻りの列車の時刻が迫っていたので見分はせずに帰ってきました。
 上長瀞駅に戻ってきたのは17時23分,とっぷりと日が暮れました。と言いますか,三峰口まで往復したのは日没を待つためだったわけで。「月の石もみじ公園」では,11月13日から28日までの期間,紅葉ライトアップが行われるという情報を聞きつけて,今回やってきたのでした。


未だ紅葉の盛りではなかったことが惜しまれますが,風流な夜楓を楽しめました。ただ,こういう場面だと,道民は酒を飲みたくなるんですよね……(注:北海道の「花見」は,木の下でジンギスカンを焼きつつ酒を酌むことを指します)。