ミュンヘンの美術館

 今日は1日,ミュージアムめぐり。まずは1000の開館と同時にアルテ・ピナコテーク(Arte Pinakothek)へ(EUR7)。収蔵品の質は高いのですが,各国からコレクションしたものを集めて構成されているせいか,少々奇異な感じ。ルーベンスも,エル・グレコも,ムリーリョも良いものが収められているけれど,ミュンヘンとの《ゆかり》は薄いよなぁ……という印象。上層階よりも下層階の方がドイツならではのコレクションという印象を受けました。ここで1枚を挙げるとすると,ミヒャエル・パッハー(Michael Pacher, 1435-98)《4教父祭壇画》でしょうか。


 続いては向かい合って建つノイエ・ピナコテーク(Neue Pinakothek)へ。相対的に「新しい方の」コレクションが収められておりますが,1800年代のものが充実しています。奇妙なまでに明るく澄んだ色彩の作品が目立っていたような印象があります。ここでの1枚には,画面の多くを空の描写に割いたヴィルヘルム・フォン・コベル(Wilhelm von Kobell, 1766-1853)《コゼルの包囲》を挙げることにします。

 2館で計3時間を費やしたところで,路面電車に乗って町の西外れにあるニンフェンブルク城(Schloß Nymphenburg)を訪れたのですが…… 毎度,この手の城を見に行く度に「カネかかってるね」という感想しか出てこないので,もう行程から省いた方が良いような気がしてきました。14時を過ぎておりましたが,電停の前にあったパン屋さんで遅い昼食。



 ふたたび市電に乗り,今度は町の東側にあるバイエルン・ナショナル博物館(Bayerisches Nationalmuseum)へ。地階から見始めたのですが,クリスマスに飾り付ける人形のコレクションだけで相当な量がありました。上の階に行くと,宗教美術が膨大に陳列されており,他にも装飾品や工芸品などいろいろ。ざっくりと見て回るだけでも1時間ほどを要しました。
 退館してみれば早くも1630をまわっています。ここから最も近いところ――ということで,徒歩15分ほどのところにあるヴィラ・シュトゥック美術館(Museum Villa Stuck)へ。もともと侯爵家の建物だった区画については幽玄で趣があったのですが,併設されていた企画展がこのうえなく現代芸術でして,嫌な印象で上書きされてしまいました。
 日没を迎えたところでバスに乗って中心部へ戻り,ホーフブロイハウス(Hofbräuhaus)にてドゥンケルスビールと白ソーセージを味わってきました。帰りがけに C&A に寄り,旅の後半で着ることになるシャツを4枚調達(日本から持ってきた衣類は,荷物を減らすため,着終わるごとに捨てていきます)。