損保ジャパン東郷青児美術館『日本赤十字社所蔵アート展』

 旧前田侯爵邸を出たのは日も傾きはじめた16時過ぎ。他の洋館をはしごするには遅い時間でしたので,東北沢駅から小田急線に乗車。新宿にあるから,という理由で損保ジャパン東郷青児美術館に寄り『日本赤十字社所蔵アート展』を観てきました。一般論としてですが,所蔵品展と銘打つものは作品群をまとめるコンセプトが不明瞭で,あまり冴えないものであることが多いように思います。それが今回の展示は赤十字の成り立ちを絵画によって表すというストーリーが明確に打ち出されており,興味深いものでした。
 ここで1枚を挙げるとすれば,相原求一郎潮騒の丘》ですね。迫り来る自然の力強さがこめられていました。内地の人にとっての原風景といえば農村の田園なのでしょうけれど,道産子としては木の生えない荒野の方がそれに当たります。
 ただ…… 毎度のことですが,損保ジャパン美術館では絵に添えられたパネルの質がひどくて不満が募ります。つまらないゴシック体のフォントのせいで気分を害されてしまいます(文面も質が低いのだけれどね)。