ムツゴロウの世界博物志

 畑正憲ムツゴロウの世界博物志」(文春文庫、ISBN:4167108283)読了。
 ムツゴロウさんというと、動物とじゃれあっている人という印象しかありませんでした。文章は初めて読んだのですが、まさに印象そのまま。テレビでは知らなかったことというと、ひとつだけ。随分と下ネタが多い(笑)
 その行動範囲の広さには恐れ入りました。57の短編が収められているのですが、そこに登場するのはハワイのクジラ、アラスカのヒグマ、オーストラリアのカンガルー、ブラジルのカピバラ(巨大ネズミ)、オーストラリアのコアラ、パラグアイカピインドネシアのオランウータン…… なんか大陸の配置など無視してめちゃくちゃですが、登場順。しかも、これで1/5。
 昔話ではなく、どうもその時々の出来事を書いているらしい。事実、《あとがき》には脱稿後の予定が記されており、これからスリランカ、アルゼンチン、ブラジル、チベットフィンランド、南極を訪問するとある。マイレージ、いったいどれほど貯まるんだろうなぁ(笑)
 動物好きの好々爺と思っていたら騙されます。でも、欲望に従って生きていても嫌みを感じさせない。すごい人だわ。