2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧
森博嗣(もり・ひろし)の新シリーズ第1作『イナイ×イナイ』(ISBN:9784061825314)を読む。 Gシリーズに気怠くのし掛かっていた“……。”感が薄れ,正統的なミステリーになっている。とはいえ,早々と《閉じた密室》ではなくなってしまう構成。姉妹が出てきた…
田中ロミオ『人類は衰退しました(ISBN:9784094510010)を開く。口絵のイラスト(画:山崎透)を見て数秒ほど悩み,ちょびっツ?という解を得て本文へ進む。 主人公の丁寧語少女によるモノローグがしばらく続き,舞台設定が紹介される。次いで,昔から馴染み…
読書会に参加。今回のお題は,文庫化(ISBN:4488464017)&映画化記念で,伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)『アヒルと鴨のコインロッカー』(ISBN:4488017002)。 東京創元社《ミステリ・フロンティア》の第1回配本であってシリーズの方向性を示したもので…
cogniさんの帰国を記念して,有志による懇親会を催す。なお,いずれも直接にお会いするのは初めての方ばかり。 id:cogni:20070520:1179645959 id:K_NATSUBAさん id:REVさん id:then-dさん ペトロニウスさん id:flurryさん(途中参加) id:genesis
豊島公会堂で開催された「同人誌と表現を考えるシンポジウム」に参加。 http://sokubaikairenrakukai.com/news070330.html 1 第一部「今,どうなっているのか? 〜現場からの発言〜」では,即売会を運営する側(各準備会)と商業流通に携わる者(とらのあな…
東京へ出張。移動中の機内で,明日会おうと思っている人が折に触れて広めている支倉凍砂(はせくら・いすな)『狼と香辛料』(ISBN:4840233020)を読む。 冒頭,未だヒロインが出てくる前の時点で「これは面白い」と思う。西洋中世の行商人を題材にとってみ…
まもなく発売になる日本労働法学会誌109号(ISBN:9784589030283)に,拙稿「基礎疾患の存在と業務(公務)上外認定」が掲載されます。 http://www.hou-bun.co.jp/Mokuroku/hon/ISBN978-4-589-03028-3.html (法律文化社) この論文では,地公災基金鹿児島県…
竹本泉(たけもと・いずみ)の新刊『よみきりものの… わらいの園々』(ISBN:9784757734982)を開く。 新刊なのに,とてつもない既視感。 まぁ,竹本泉はいつもアレだしね――と読み進めているうちに,「マンホールのあうの人」で通常よりも変であると気がつく…
《ゲーム的リアリズム》の元ネタとして位置づけられている『キャラクター小説の作り方』(ISBN:4061496468)を読み,物足りなくなったので大塚英志(おおつか・えいじ)『更新期の文学』(ISBN:4393444132)を再読する。 最初に読んだときには「荒っぽさ」や…
東浩紀(あずま・ひろき)『ゲーム的リアリズムの誕生――動物化するポストモダン2』(ISBN:9784061498839)をめぐる読書会を催す。 僕は、1990年代末から2000年代にかけての日本文学(の一角)の光景は、「自然主義的リアリズム」=J文学と、「アニメ・まん…
北村薫(きたむら・かおる)『冬のオペラ』を読む。*1 姫宮あゆみが勤める不動産屋の上に「名探偵」が事務所を開いた。引き受けるのは「名探偵」に相応しい事件だけだという。そんな名探偵は,週に3日のアルバイトをして生計を立てつつ,事件の訪れを待つ―― …
昨日の一冊で脳がおかしくなってしまったので,反作用を期待して蘇部健一(そぶ・けんいち)『六枚のとんかつ』(ISBN:4062731274)を読む。 空前絶後のアホバカ・トリックで話題の,第三回メフィスト賞受賞作 (裏表紙より) という売り文句に偽りはなかっ…
読み止しになっている某書の作品論を読むに先立ち,どうしても触れておく必要が生じたので,舞城王太郎(まいじょう・おうたろう)『九十九十九(ツクモジュウク)』(ISBN:406182306X)*1を開く。 2頁目で意識が飛びました。めまいを起こして動けなくなる(…
読書会に備え,清涼院流水(せいりょういん・りゅうすい)のデビュー作『コズミック 世紀末探偵神話』(ISBN:4061819283)*1を通読する。 既に批評を通して本書の位置づけは把握してはいたものの,そこはかとない“やるせなさ”にさいなまれる。参照しなければ…