2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧
映像・表象文化論講座*1の院生と読書会。秋田孝宏(あきた・たかひろ)『「コマ」から「フィルム」へ――マンガとマンガ映画』(ISBN:4757101325)について討議する。2005年にはマンガ論についての著作が相次いで上梓されたが,そのうちの1冊。著者は,漫画や…
研究会にて,太平洋セメント・クレオ事件(東京地裁判決・平成17年2月25日・労働判例895号76頁)の検討。 原告Xは,親会社Y1から子会社Y2に出向していた労働者。出向元(Y1)では部下を持たないマネージャー職にあった。出向先(Y2)ではコンクリートの強度…
「ラブコメ」がブームとして現れたのは1980年代前半,少年まんがの分野においてだという。ササキバラ・ゴウは『〈美少女〉の現代史』(ISBN:4061497189)の83頁以下においてあだち充「タッチ」や高橋留美子「うる星やつら」などの作品を挙げ,(1)少女まん…
森博嗣(もり・ひろし)のGシリーズ第4作『ε(イプシロン)に誓って ―― SWEARING ON SLOMEMN ε』(ISBN:4061824856)が届いたので読む。 なんか,こう,言いしれぬモヤモヤがわだかまる読後感。北海道弁で表現するところの「あずましくない」感じ。 はてな…
森博嗣(もり・ひろし)『迷宮百年の睡魔』*1読了。 前作『女王の百年密室』もそうだったが,何とも奇妙な話。〈近未来〉を描いた作品は,〈現在〉の価値観なり技術的限界を踏まえて作られたものでないとリアリティが感じられなくなってしまうのだなぁと思う…
移動中の機内で,岩根圀和*1『物語 スペインの歴史――海洋帝国の黄金時代』(ISBN:4121016351)を読む。 いかにも「スペイン文学」の好きでたまらない「文学者」の書いたもの。良く言えばテーマを絞っている,悪く言えば著者が関心を抱くことにしか触れていな…
研究会参加のため,南山大学法科大学院へお出かけです。久しぶりの遠出なのに,セントレアから会場へ直接向かうので,名古屋市内を散策する時間が取れないのが心残り。さらに,日曜日には公務員試験予備校の講義を引き受けてしまったもので,翌朝の早い便で…
今野緒雪(こんの・おゆき)『くもりガラスの向こう側』(ISBN:4086007436)読了。「マリア様がみてる」の第23巻。 全体に関わるシナリオが進行するのは冒頭の7頁と,末尾の9頁だけ――なんですが,そういう〈ゆるゆる〉な作品だもんね。 はてな年間100冊読書…
夕方より,文学研でのミステリ研究会に参加。諸岡卓真氏が近く発表する論文「本格のなかの本格について」の草稿を読ませてもらう。内容は,メタ・ミステリ評論(評論の評論)で,『週刊書評』に投稿された批評「本格ミステリ批評に地殻変動は起きているか?…
先日,乙一『GOTH』を読んだことで〈ライトノベルとミステリーの境界〉に位置する作品群に興味が湧いた。そこで周辺的な位置づけを持つものとして名前の挙げられていた作品*1,米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)の『氷菓』(ISBN:4044271011)を読んでみる。 と…
東野圭吾(ひがしの・けいご)の『予知夢』(ISBN:4167110083)を読む。ガリレオ・シリーズ第2作。 5つの短編はいずれも機知に富んでいたが,中でも「霊視(みえ)る」がシナリオとしてはお気に入り(ただ,ステレオの××については余分だったような気もする…
研究会にて,札幌育成園事件の検討。社会福祉法人Yの運営する知的障害者施設Aに入所していたXが,入所期間中に受給していた障害基礎年金を不法に領得されたと主張し,相当分を損害賠償として請求した事案。 第一審*1は請求を棄却したのに対し,控訴審*2では…
ロードスという島がある。 ――以上,お約束*1。 塩野七生(しおの・ななみ)『ロードス島攻防記』(ISBN:4101181047)読了。イタリアの商人が聖地巡礼者のためエルサレムに建てた病院兼宿泊所が,やがて起こった第1回十字軍(1096年〜)を機に宗教団体として…
水原賢治(みずはら・けんじ)『あふたーすくーる 〜after school〜』(ISBN:4903471047)。寡作な作家であり,単行本が出るのはおよそ4年振り。マイナー誌やアンソロジー集に掲載された作品に,同人誌発表作も加えた珠玉作品集。青くみずみずしい性を綴った…
米国出張してきたたてにょんから,おみやげに『GUNSLINGER GIRL』の英語版をもらいました(id:lapis:20060213)。しかも嬉しいことに,送られてきたのは第2巻(ISBN:1413902332)。Grazie! あれ?と思ったのは裏表紙の説明書き。 Graphic Novel/Manga Sci-Fi…
谷川流(たにがわ・ながる)『涼宮ハルヒの憤慨』(ISBN:4044292086)読了。ハルヒシリーズ第8作。 第2作『溜息』から前作『陰謀』まで〈楽しい〉読み物だとは思いましたが,〈面白い〉とは思いませんでした。ところが今回収録の中編「編集長★一直線!」は良…