2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧
乙一(おついち)『平面いぬ。』(ISBN:4087475905)読了。 目を見てしまった者を石に変えてしまうという伝承の残る「石ノ目」。思念体として生み出されたはずの少女が,いつしか実体を持つ幻覚になる「はじめ」。動き出すおかしなぬいぐるみ「BLUE」。腕に…
高橋友子(たかはし・ともこ)『路地裏のルネサンス――花の都のしたたかな庶民たち』(ISBN:4121017307)読了。 ルネサンスが開花する直前の時代を生きたフランコ・サッケッティ(Franco Sacchetti, 1330頃-1400頃)なる人物が書き残した『三百話』(Trecent …
季刊から隔月刊行へと移行して最初の『ガンガンパワード』(ASIN:B000G5S13M)を買ってくる。いや,かなり前から買い続けているわけなのですが*1,あまり読むところが無いんですよね…… で,今号も『ラブリー百科事典』が載っているのを確認してから*2,パラ…
研究会にて,ブライト証券事件(東京地判・平成17年12月7日・労働経済判例速報1929号3頁)の検討。 東証の立会売買終了に伴い才取業務から撤退することにしたZ2社は,100%出資の子会社Z1社を設立。従業員らは,Z2からZ1へと転籍した。初年度についてはZ1に…
比較参照のための資料として,我孫子武丸(あびこ・たけまる)『探偵小説 探偵映画』(ISBN:406185707X)を読む。 ラストシーンの撮影を残して監督が姿を消した。残されたスタッフ達は,撮影済みのフィルムから犯人を推理しなければならない。条件は,観客の…
ミステリ研究会。本日のお題は,米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)『愚者のエンドロール』(ISBN:404427102X)。 ※ 以下,ネタバレではないのですが,未読者に対しては〈読み〉に影響を与える内容を含みますので,ご注意ください。 本作に対しては,研究会の主宰…
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)『クドリャフカの順番――「十文字」事件』(ISBN:4048736183)読了。古典部シリーズ第3作。 文化祭の日。古典部では問題が生じていた。発注数を間違えて,ちょっと文集を多く作りすぎたのだ。大したことはない。当初の予定より,…
だいぶ前に id:kuroyagisantara から借りたままになっていた本。来週には返そうと思い,寝しなに桜庭一樹(さくらば・かずき)『少女には向かない職業』(ISBN:4488017193)を読み始める。これが初の観桜。 早くも第1章の冒頭(11頁)で,作者の人間観察力と…
詳細は id:kim-peace:20060617 を参照。こういう試み(というか,こういう企画を試みてみようという意気込み)は,かなり嫌いじゃない。でも5冊も挙げられるようなものは無かったので,1つだけ票を投じておきます。 ISBN:4086006472 友桐夏『白い花の舞い散…
塩野七生(しおの・ななみ)『レパントの海戦』(ISBN:4101181055)を読む。 海洋都市国家ヴェネツィアは,トルコの脅威に曝されながら単独で対抗するだけの力を失っていた。そこで教皇庁を介して領土型の覇権国家スペインを誘い込み,連合軍を結成する。 本…
研究会にて,三陸ハーネス事件(仙台地決・平成17年12月15日・労働経済判例速報1924号14頁)の検討。 被告Y社は,自動車部品の製造業。原告Xら18名は,Yの従業員であった者。 1999年10月に日産自動車は「リバイバルプラン」を発表した。Y社は,日産に部品を…
芦奈野ひとし『ヨコハマ買い出し紀行』が14巻をもって完結。素敵な作品でした。最後は加速度的に時間が進んでいって,コーヒーがちょっとしょっぱくなりましたけれど。 のちに夕凪の時代と呼ばれる てろてろの時間 つかの間のひととき 作品が共感を得るには…
機内で,井口泰(いぐち・やすし)『外国人労働者新時代』(ISBN:4480058885)を読む。 著者は労働省に入省し,GATTウルグアイ・ラウンドでの交渉に参加,外国人雇用対策課長を務めた後,大学教授となった人物。 勤めて冷静な視点から書かれた本で,ルポルタ…
日本労働法学会@岩手大学 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jlla/ 懇親会の席上,とある人物から「論文を引用していただき,ありがとうございました」と話しかけられる。まったく身に覚えがなかったので固まっていたら,「うまとくらなどの件です」と補足が。 馬と…
移動中の機内で,ロナルド・ドーア*1『働くということ――グローバル化と労働の新しい意味』(ISBN:4121017935)を読む。著者は,ロンドン大学LSEフェロー。英国生まれだが日本研究に携わっている知日家。以前,講演を聞いたことがあるが,それは流暢な日本語…
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)『愚者のエンドロール』(ISBN:404427102X)読了。古典部シリーズ第2作。 文化祭出典作として撮られた自主映画は,殺人現場を写したところで終わっていた。解決編を書く前に倒れてしまった脚本家に代わり,続きを推理して欲しい…