米澤穂信 『クドリャフカの順番』

 米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)『クドリャフカの順番――「十文字」事件』(ISBN:4048736183)読了。古典部シリーズ第3作。
 文化祭の日。古典部では問題が生じていた。発注数を間違えて,ちょっと文集を多く作りすぎたのだ。大したことはない。当初の予定より,ほんの7倍になっただけ――
 ストーリー(展開)に関しては無理があるように感じる。しかし,「ミステリー文学」としてではなく「ミステリアスな出来事」として読むのが筋なのだろう。何より,ナラティブ(説話的)な語りの魅力は抗いがたいものがある。読んでいて楽しい。本作には青春のホロ苦い芳醇な香りが凝縮されている。しかし,このキャラクター描写による“ライトノベル的”な「わくわく」を,どう書き記せばいいのか。言葉に詰まる。
 米澤作品に対して,どんな書評を書けばいいのか。わたし困ります。

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