ドーア 『働くということ』

 移動中の機内で,ロナルド・ドーア*1『働くということ――グローバル化と労働の新しい意味』(ISBN:4121017935)を読む。著者は,ロンドン大学LSEフェロー。英国生まれだが日本研究に携わっている知日家。以前,講演を聞いたことがあるが,それは流暢な日本語を操っていた。
 労働は如何にあるべきかを哲学として語る,優れて啓蒙的な本。グローバリゼーションの名の下に進む変革に対し,じっと疑いの眼差しを向ける。米国型の産業社会像を進むべきモデルとするのは,どこかおかしいのではないか? アングロ・サクソンに属するイギリスを介在させることで,日本の置かれている状況を客観視することができる。

*1:Ronald P. Dore, 1925-