ミラノ(3/3)

 ホテルでコンチネンタル・ブレックファスト(というと聞こえはいいが,要はパン+珈琲だけ)のカプチーノを飲み終えたところで時計を見る。空港行きのバスが出るまで90分ある…… 
 というわけで,散歩と称して舞台探訪の追加取材に出かける。地下鉄でドゥオーモに乗り付け,聖堂左手のコマを撮影。急ぎ足でガッレリアを抜けてスカラ座に向かい,昨夕は逆光になってしまったコマを朝の光の下で撮り直す。地下鉄に乗ろうと駅に向かったところで,ふと思いつき,横断歩道を渡ってから右(スフォツェスコ城の方)を向いてみる。すると,思った通り,第16話の扉絵と同じ構図が得られた。市電の新型車両が通りがかるのを待ちかまえて手早く撮影をすませる。
 あわただしいチェックアウトになったけれど,後悔はしていない。
 LINリナーテ空港でチェックインを済ませた後,ピッツァ+ビール(EUR4.9)で早めの昼食にする。ここは店内のオルノ(窯)で焼き上げていて,マルペンサ空港の出来合い品より遙かに美味しい。
 定刻より15分遅れでミラノ発。格安航空大手のイージー・ジェット(easyJet)で,使用機材はエアバスA319。エンジンの性能が良いのか,騒音が少なく,加速も滑らか。

パリ (1/2)

 14時40分,ORYオルリー空港着。モンパルナス駅でバスを降り,地下鉄13号線のプレザンス(Plaisance)駅下車。徒歩2分ほどのFred'Hotelにチェックイン。出かける時は部屋の鍵を持って行き,帰ってきたら教えてもらった暗証番号を入力して玄関を出入りするという仕組み。「ホテル」という名前になってはいるけれど,家族経営のオスタル(Hostal)という感じ。カーペットが擦り切れているものの,壁は最近塗り替えられたらしく綺麗だし,1泊EUR54の安宿にしては快適(しかもトリプルのシングルユースにしてもらったので広々)。
 再び地下鉄に乗り,“Hotel de Ville”駅の近くにある“C&A”へ。私の体型は「襟周り39,袖86」でして,日本の標準的なLサイズだと袖長が4cmほど足りない。おかげで肩が凝るん。ヨーロッパで仕立てられたものだと丁度良いので,普段着用にシャツを2枚買い求める。

 歩いてルーヴル美術館(Louvre)へ。毎週水曜日,ルーヴルは夜間開館をしているので,17時を過ぎてから入場しても楽しめる(EUR8.5)。入場待ちの列も無く,すぐに館内へ。最初にデゥノン翼(Denon)を覗いてみるが,この時間でも大通路は人でいっぱい。そこでリシュリュウ翼(Richelieu)のフランドル/オランダ絵画を見に行くことにする。こちらは団体客のルートになっていないので,落ち着いて眺めることができる。そのままシュリー翼(Sully)へと渡ってフランス絵画を見る。最後に,だいぶ減ったとはいえ写真撮影に明け暮れる人の多いデゥノン翼を足早に通り抜け,突き当たりにあるスペイン絵画に再会を果たしておく。
 ルーヴルの絵画部門だけを掻い摘んで見ただけで3時間が経つ。閉館(21時30分)まで未だ時間はあるけれど,十分に満足したので20時に退出。地下の連絡通路にあるレストランで夕食にする。ここには10軒ほど各国料理の店が並んでいて,「前菜+メインディッシュ+飲み物」のプレートがEUR11.8で食べられる。今回はフランス風の店で「サラダ+鶏肉の煮込み+赤ワイン」を注文し,美味しくいただく。