Barcelona

 明日からのスイス旅行は、バルセロナ発の航空券を買いました。もちろん、バレンシアバルセロナ間も飛行機で移動できるのですが、往復で100ユーロかかります。バス移動だと往復42ユーロで済むので、同じお金を使うなら前泊してバルセロナ観光もしようと考えました。バルサへは、5年前の最初のスペイン旅行で行ったきりですし。

 どうも無駄に気合いが入っていたらしく早朝5時に目が覚める。もしかしたら7時の便に間に合うかも、と出かける支度を始めたのですが、朝食の準備をしていて大事件が発生。食器棚を開けたら、カビが大発生していたのです(泣) どうやらここ2日間のうちに、同居人の誰かが汁物をこぼしたまま放置していたらしい。しかもそれが、ほんの少し開いていた私の棚に流れ込んで…… このまま出かけると誤解を受けそうなので、掃除を始めました。そんなこともあって、バス駅についたのが7時ちょうど。2時間ほど待合室でぼーっとするはめになりました。

 所要時間は4時間20分。特急でも4時間かかるので大して差はないのに、料金はバスの方が安い。ただし、「それなり」の速度で走るので、ちょっと怖いような気もします。バルセロナ北駅に来るのは初めてだったので出口を探して少し迷う。地下鉄で移動し、まずはホテルにチェックイン。ゴシック地区にある“Hotel Don Jaime I”にしたのですが、ここは5年前にも泊まったことのあるところ。記憶の中で少し美化されていたのですが、それでも1泊42ユーロと格安でいいところなのは変わっていませんでした。

 ランブラス通りに出ると、アメリカンエクスプレスの営業所がありました。スイスまでどうやって資金を移動させようか困っていたので、トラベラーズ・チェックの価格を物色。ところが、T/Cのレートが悪いうえに、販売手数料が高い。現金化のときにまた手数料を取られる考え、やめにしました。

 再び地下鉄に乗り。バルセロナの象徴ともいえるサグラダ・ファミリア聖堂へ。ちょうど食事時だったので、手頃な店に入り定食を注文。1皿目の欄に「お米のサラダ」というのがあったので、頼んでみました。出てきたものは、ツナご飯に赤/緑ピーマンのみじん切りを混ぜ込み、ドレッシングをたっぷりかけたもの。これのどこが『サラダ』なのか、見識を疑うようなものでした。でも、サウザンアイランド・ドレッシングの強烈さ故に、口の中に入れるとそれは「サラダ」と認識されてしまうのです。人間の感性とは不思議ですね。あまりのことに2皿目の名前を忘れてしまったのですが、ごく普通の「焼きソーセージと豆の盛り合わせ、アリオリソース添え」でした。

 さて、改めて聖家族教会へ。ちなみに、外観を眺めるだけなら入場料はかかりません。生誕の門の前に立つと、素晴らしいの一言に尽きます。石で出来ているのに、したたり落ちてくるのではないかと思うほど。これほどまでに人を感動させられる近代建築を、他には知りません。天才建築家ガウディの遺作を見るために、バルセロナへは足を運んでみるべきです。

 時間の許す限り彼の足跡を追ってみようと思いました。続いては、グエル公園。地下鉄バイカルカ駅の近くに長いエスカレーターがあり、これに乗ると公園の裏門まで着いてしまうという優れもの。どうしてこんなものがあるのか謎なのですが。雪が降る地域の出身者にとっては、機械設備が屋外にあるというだけで違和感があります。東京だと外気にさらされる場所にエレベーターがあったりしますが、札幌でそんなものを造ると雪が詰まって扉が閉まらなくなります。

 次は、カサ・ミラ。まず屋上の奇妙な煙突を眺めたあと、5階の資料館、4階のアパート内部を見学してきました。その後は再びランブラスへ戻り、グエル邸。時間も遅くなってきたので、外から見るだけ。

 日没後、カタルーニャ広場にあるfnacへ。ここは柔らかめの書籍が充実しているので、観光客とか外国人に便利。店内撮影はあまり好ましくないのだけれど、「国外における日本文化の紹介に関する学術的研究」ということで……