パリ (2/5)

 滞在初日。09時10分,ルーヴル美術館(Musee du Louvre)へ。開館直後で並んでいる人も無く,正面入口であるガラスのピラミッドからでもすんなり入場できた。まずは混みそうな,レオナルド『モナ=リザ』を見ておく。こちらも待つことなく真正面から対峙することができた。あまりに有名すぎて画集などでも見知っているため,実物を見ても感慨は湧いてこなかった。
 さて,ルーヴルは大まかに言って3つの建物から成り立っている。『モナ=リザ』があるのは南側のデゥノン翼(Denon)2階。そのまま順路に従って進み,フランス絵画,イタリア絵画,スペイン絵画を楽しんでいくことにする。
――4時間かかりました。まだ1/5にも満たない面積しか巡っていないのに(汗) 私の好きなヴェネツィア派が含まれていたというのもあるのですが,それにしても展示品の数が膨大。もともと今日は一日,閉館までルーヴルから出ないつもりでいたのですが,このペースでは見られないものが多すぎて悔いが残りそう。そこで,彫刻や工芸品は捨て,絵画だけを見ることにする。三次元の立体物には興味が無いから……(笑)。
 これまた大好きなフランドル派が展示されている,北側のリシュリュウ翼(Richelieu)3階へ向かう。南西端から北端へと移動するだけで30分を要するというのは,美術館としては何か間違えているような気がする。ヴァン・ダイク,ルーベンスレンブラント,それにフェルメールなどを楽しむのに3時間をあてる。途中,喫茶室でガトー・ショコラを食べて,昼食代わりに。
 シュリー翼(Sully)3階のフランス絵画は時間をかけるつもりが無かったのに,ユベール・ロベールの廃墟シリーズに見とれてしまう。結局ここにも2時間近くをかける。
 取りあえず絵画だけを一通り見る,と制約をかけたにも関わらず9時間かかったことになります。水曜日は開館時間の延長日なので少しばかり余裕がありましたが,これが通常の日だったら干渉途中で追い出されていたことでしょう。ルーヴルを「観光地」として訪れるならいざ知らず,美術を楽しむつもりなら一日では無理です。へとへとになっていたので帰ろうとしたのですが,「ミロのビーナス」くらいは見ておいても悪くないと思い,欲を出して古代ギリシャ部門へ向かう。なんか白い物が置いてあった,くらいの記憶しか残っていません。こんな精神状態で見るべきではなかったと反省。
 売店で画集を購入したあと,すぐさま地下街の食堂へ。20時20分,ヴェトナム風料理店で昼食兼夕食。ピラミッドのライトアップを眺めて戻る。
http://www.louvre.fr/