倉敷

 倉敷に足を伸ばす。岡山からは普通列車で16分ほど。
 まずは大原美術館へ。倉敷紡績クラボウ)の経営者であった大原孫三郎(おおはら・まごさぶろう,1880-1943)の名を冠した私設美術館。欧米の美術館と比べると西洋画のコレクションが貧相なのは当然だが,当時の財力と情報でこれだけの作品を揃えたのは賞賛に値する。収集に当たった画家,児島虎次郎(こじま・とらじろう)の鑑識眼に感服する。
 紡績工場の跡地「倉敷アイビースクエア」内にある別館「児島虎次郎記念館」へと移動し,彼の作品も鑑賞。時代順に並べられており,渡欧を経てタッチの変化していく様子が良く分かる。
http://www.ohara.or.jp/
 続いては,同じく工場跡地を利用した倉紡記念館*1。労働問題を考えるうえでは,とても興味深い展示が多かった*2
 向かいにあるアイビー学館これはひどい。西洋近代絵画の複製パネルに解説を付けて展示する,というアイデアはいい。しかし,まったくメンテナンスがなされておらず,おそらく20年以上も前に制作してそのままになっているのであろうパネルは褪色している。こんなものを見せられたりしたら,絵画の印象は悪くなってしまい,かえって有害。床のカーペットもぼろぼろで,運営者の良識を疑う。
 順路の最後にあった,古い倉敷の街並みを移した写真が面白かったので溜飲を下げた。しかしながら,とてもじゃないが料金を払って入場したいところではないことに変わりはない。
http://www.ivysquare.co.jp/
http://kankou-kurashiki.jp/data/01/01/1/
 さて,岡山空港に到着すると,遅延のお知らせが。羽田で発生した電波障害の影響で,前便が遅れているためだとか。空港内で珈琲を飲んで待つ。
 JL1684 OKJ 17:25*3 / HND
 JL1039 HND 19:00 / CTS 20:30

*1:隣接して「いがらしゆみこ美術館」があり,建物の前まで行ってみたのだけれど,ここに男一人で行くのは何か間違っていると思い,引き返してきた。

*2:労働法の研究では日本を代表する機関である「大原社会問題研究所」が,元々は倉紡の附属施設だったということを,ここで知った。

*3:定刻より45分遅れ。