スケッチブック

 校正作業をしていると意識が飛んで行きそうになる。そんな時には,小箱とたんスケッチブック』が穏やかに効きます。
スケッチブック 3 (BLADE COMICS) スケッチブック 出張版 (BLADE COMICS)
 高校の美術部を題材に取った作品。萌え四コマから〈萌え成分〉を抜いたようなサッパリ感。これを「まったり」などど表現したら重すぎる。例えて言うなら「無炭酸ラムネ砂糖抜き」。香料は入っているけれど水だよなぁこれと思いながらビンを傾けていると思わぬところでビー玉が詰まったりしてやっぱりこれはラムネだったのかぁと再認識する――みたいな。油断したところでツボに入ることがあるので取扱注意。フッ素×□×ナス○o○で呼吸困難になったぞ。
 『出張版』は,従来の枠組みに収まらない作品の集成。これをカテゴリーに分類するのは無理というもの。敢えて言えば,「ねこもの49%」。四コマ漫画では窮屈な感じがしていたところ,こちらでは伸び伸びとした構成になっていて好印象。かといって,面白いのかと尋ねられたら説明に困る。形容しがたい不思議な空気に包まれている。
 鉛筆のタッチを残した水彩の表紙に惹かれる人なら,きっと波長が合う。そんな気がする。