西尾維新 『クビツリハイスクール』

 西尾維新(にしお・いしん)『クビツリハイスクール――戯言遣いの弟子』(2002年8月,ISBN:4061822675)を読む。戯言シリーズ第3作。
 虚構世界には虚構空間における現実感(リアリティ)っていうのがあると思う。館ものであれば,どうして人も来ないような場所に洋館が建っているのかとか,館の住人は何故に外部との交流を断っているのか――とか。
 本作では,そうしたリアリティの確保は些末な問題かもしれないけれど…… でも,舞台となった〈学園〉の設定が突飛すぎて,ミステリーちっくな処理のためには気になるところでした。