森博嗣 『森博嗣のミステリィ工作室』

 生後3週間の甥をあやしつつ,森博嗣(もり・ひろし)『森博嗣ミステリィ工作室』(ISBN:4889918027ISBN:4062733226)を読む。片手でハードカバーを読むのは腕に負担がかかる。今度から子守の最中は文庫を読むことにしよう。
 本書は,S&M(犀川創平&西之園萌絵)シリーズが完結した時点で書かれたもの。「作家萌え」にはなりたくなかったので遠ざけていたのだけれど,そろそろ読んでも大丈夫だろう。
第1部では,ルーツにあたるミステリィ100冊を紹介する。クセはあるけれど,ブックガイドとして有用。第2部は,本編には付されていない《あとがき》を「いまさら」語る。作品の意図や位置づけを作者がどう見ているか,作家論を自ら展開している。第3部はエッセイ集。
 本書のキモは20年前に「漫画人」として活動していた頃の話題だろう。小説家としては遅咲きだけれど,クリエイターとしての才能がいつ頃から開花していたのかを見せつけられたよう。
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