西尾維新 『零崎軋識の人間ノック』

 朝日新聞の書評(2006年12月10日付け)でを目にして気にかかっていたところに,海燕メソッドで畳みかけられた(id:kaien:20061212:p1)ので,西尾維新(にしお・いしん)の『零崎軋識(ぜろざき・きししき)の人間ノック』(ISBN:4061825097)を読んでみる。登場するのは〈戯言シリーズ〉のキャラが殆どであるから前作を読んでいなくても大丈夫,との弁があったので,あえて『零崎双識の人間試験』は飛ばして。
 うん,なるほど,確かに理解できる。
 でも――つまんないです。
 「キャラの戯れ」が主成分だと,媒体の種類に関わらず苦手なん。そんな私の性向に真正面からぶつかってしまい,面白いと思えない。たぶんファンとしてはキャラの再登場を言祝ぐのが筋であろう箇所などでは,あざとさを感じるのが先立ってしまい生理的な嫌悪の情を抱いてしまう。
 図らずも kaien さんが「キャラクター小説」の類例として『涼宮ハルヒ』シリーズを挙げていましたけれど,やっぱり途中で嫌になったし*1。『苺ましまろ』も,やっぱり×。
 つくづくストーリー主義者だなぁ,と省みる。
 とはいえ,『ぱにぽに』の第1巻(ISBN:4757505221)を読んでみたところ,以前はダメだったのに楽しく感じられるようになっていたので,少しずつ体質改善(?)は進んでいるみたいなのですが……。

*1:ハルヒ』について補足。小説版の場合,第1巻(ISBN:4044292019)はさておき,続編では第7巻『涼宮ハルヒの陰謀』(ISBN:4044292078)だけが唯一,面白いと思えるストーリーでした。アニメだと声や動きの魅力といった要素があるので楽しめるのですが……。