竜騎士07 『ひぐらしのなく頃に』小説版
仕事が一つ片付いたところで,本を読んで休養。明るいうちに,竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 第一話〜鬼隠し編〜(上)』(ISBN:9784062836371)を読んでおくことにする。
メディアミックスの類が好きではないのですが,ゲームの原作者が手がけるというのならば――と思って買ったのです。
が,読み終えて思いました。ノヴェルタイプのゲームを,原作そのままに小説へ置き換えてもつまらないなぁと。
ノヴェライズ版の書き手が原作者と違うのであれば,エピソードの取捨選択だとか文体の差異などを比べて楽しむこともできます。しかし,この『ひぐらし』の小説版,原作であるゲーム版でのテキストが備えていた持ち味をそっくりそのまま文章化しているのです。というか,テクスト抽出して印刷したような印象。それ故,原作のストーリー展開が忠実になぞられており違和がまったく無いものの,小説ならではの味わいというものも見当たらない。
だいぶ記憶も薄れてきていたので内容を思い返すには便利ですが,「映像なし」「音声なし」だと,ぜんぜん盛り上がりません。
「本作品はサウンドノベルです。
http://07th-expansion.net/Soft/Prolog.htm
音楽や背景、キャラクターによって楽しく演出された世界を、小説の感覚で読み進んで行きます。」
ゲームにおいてスクリプト演出が果たしていた効果を(逆説的に)確認する役には立ちますね。あと,近代文学の人たちが文芸評論として『ひぐらし』を取り上げやすくなりますよ,とか。