ポツダム

http://picasaweb.google.com/genoishi/Berlin 〔写真〕
 ベルリンから南西へ向かうSバーンの7番線に乗り,終点ポツダム(Potsdam)にて降りる。バスに乗り換えて15分ほどで,プロイセン王フリードリヒ大王(在位1740-86)が建てた夏の居城サンスーシ宮殿(Schloss Sanssouci)――の裏側に着く。正面から入らないと,空間の演出効果が台無し(^^; 床材を保護するために靴を履いたままで使う大きなスリッパを渡され,ミズスマシのように摺り足で進む。宮殿内の装飾はロココ調。宮殿の名からしてそうですが,一事が万事フランス風。
 ひとまず宮殿内の見物を終わらせたところで,いそいそと絵画館(Bildergalerie)へ。全長100mほどの細長い建物の南面を窓にし,北面にはぎっしりと大振りの絵画をあてがった空間。総数130を超える絵画は,広い空間に配置しても見栄えがするような華やかな作品が多い。ニスが煤けて画面が暗くなっていたり模写が多かったりするものの,一つの美術館として十分に楽しめるものでした。
 正面入口から逆向きに階段を下り,庭園を突き抜けて東洋趣味の中国茶(Chinesisches Teehaus)に立ち寄ってから,約2.5km離れた新宮殿(Neues Palais)へ向かう。まぁ,同じ敷地内にある宮殿建築だしなぁ――とあまり期待していなかったものの,玄関ホールにあたる洞窟の間(Grattensaal)に足を踏み入れて嘆息。壁面には,切り出した鉱石をごつごつと埋め込んでおり,石の表情を見ているだけで楽しい。
 新宮殿の裏手にある停留所からバスに乗り,ポツダムの中心街であるブランデンブルク通り(Brandenburger Str.)へ。パン屋さんでサンドイッチとコーヒーを買い求めて昼食にする。
 バスを乗り換えて,次はツェツィーリエンホーフ宮殿(Schloss Cecilienhof)を訪ねる。1945年の7月から8月にかけて,米英ソの三箇国によって「ポツダム会議」の開かれた場所。自由見学ですから室内に置かれたパネルを読んでいったのですが,日本についての記述が皆無であることには色々と考えるものがありました。滞在期間を通じて,ベルリンでは日本人の姿をほとんど見かけませんでした。アジア系の観光客の数がそもそも少ないのですが,それも中国人か韓国人。日本において「ドイツ」から想起するものはバイエルンであって,プロイセンではないよなぁ,と。
 帰り道,買い求めた絵葉書にあった優美な建物が新庭園(Neuer Garten)の中にあるらしいので見に行こうとして失敗。持っていた『歩き方』には記載がなかったため,大まかな地図を頼りに湖岸を進んでいったところ,どうも曲がり角を一つ間違えたらしい。ようやく目当ての建物が見えてきたのですが,それが湖の対岸にあてびっくり。たまたまそこが絵葉書の撮影場所ではあったのですが,運が悪いことに建物は修復工事中で覆いが掛けられており,目的は果たせませんでした。とりあえず居場所が特定できたので大通りへでて路面電車に乗り,駅へと戻ってきました。