西尾維新 『きみとぼくの壊れた世界』

 戯言シリーズを読み終えた後,零崎一賊シリーズりすかシリーズに手を出してみたのですけれど面白いと思えなかったもので,そこで広げるのをやめておりました。
 それが,ここ最近ミステリーを読みたい気分になっていたところに,続作が発表されたということが重なりまして,西尾維新(にしお・いしん)『きみとぼくの壊れた世界』を読んでみたわけです。もちろん,講談社の仕掛けたばかばかしい単行本戦略に乗る気はないので,新書版(ISBN:4061823426)の方を。
 感想。ちゃんとミステリーをやっていて楽しめました。剣道を上手く仕掛けに使っていて,気持ちよく騙された。
 結末は,これで終わりなの? 人が死んでいるのに…… というのが率直な思いでしたが,この突き放したような主人公の立ち位置というのが西尾維新の魅力であり新しい境地であろう。