我孫子武丸 『殺戮にいたる病』

 夕食後にうたた寝をしてしまったため,深夜になっても寝付けない。ならば眠くなるまで本を読もうと,我孫子武丸(あびこ・たけまる)のサイコサスペンス『殺戮にいたる病』*1を手に取る。
 面白かったので,そのまま読了。
 冒頭に「蒲生稔」が逮捕されるエピローグが置かれてから本編が始まる。その本編では,「犯人」「犯人の肉親」「第二の被害者の関係者」という3人の視点から猟奇殺人――行きずりの女性を絞殺して乳房を切り取るという犯罪を描きます。
 犯人の〈異常〉行動の描写それだけでも興味深かったけれど,結末には驚かされました。ミステリーとしても傑出した出来だと思います。

*1:文庫版 ISBN:4062633760,ノベルス版 ISBN:4061817914