上遠野浩平 『しずるさんと偏屈な死者たち』

 昨晩は結婚式(ただし二次会要員)で,遅くに帰ってきました。引き出物を開けてみたら鮭とばだったんですが……
 酔いが醒めるのを待つ間に,上遠野浩平(かどの・こうへいい)『しずるさんと偏屈な死者たち』(2003年,ISBN:4829162147)を読みました。上遠野の代表作といえば『ブギーポップ』シリーズなのですが,肌に合わないので途中放棄。別シリーズだったらどうだろうと思って手を伸ばしてみました。
 安楽椅子ならぬ病院のベッドの上から動かずに推理するしずるさんと,彼女のお見舞いにやってきて事件を語って聞かせるしずるさんによる短編4編。
 あ,ミステリーの文法で書かれたこれなら支障なく頭に入ってきます。
 しかし,文章の質と作品の評価は別。「何ですか,そのオチは……」とげんなりしてしまいました。謎めいた話を語って聞かせるという趣向に終始するならば良かったのですが,ほとんど情報が与えられていないのに探偵役が謎解きをできてしまうのが納得いきません〜。
 まぁ,富士ミスですしね。作品世界の雰囲気は好きなんだけれどなぁ。