新潟(その2)

 目を覚ましたのが08時過ぎ。昨晩『カリオストロの城』に見入ってしまったのがいけなかったのかもしれません。
 大して遅い時刻というわけでもないのですが,もはや郊外まで出かけるだけの時間はありません。午前中には古い屋敷を見に行こうと思っていたのですが,新潟から郊外へ向かう路線は非常に不便でして3時間ほど列車が来ないこともあります。
 それで新潟市歴史博物館みなとぴあへ向かうことにしました。常設展では低湿地を農耕地に変えていく様子がふんだんな資料とともに展示されていて見応えがありました。役所が発注して作った史料ビデオはつまらないものであることが多いのですが,ここのは興味深いものが多かったです。新潟は右岸と左岸が別の藩に属していた,とか,阿賀野川の河口は江戸期に行われた土木工事の失敗によって出来たものである,とか,いろいろ郷土史を仕込んできました。いや,仮にも地理学の講師として糊口を凌いでいる者としては,面白くてたまらないわけですよ。2時間ほどかけてじっくり眺めてまわりました。


 14時30分,新潟駅にて海燕id:kaien)さんと待ち合わせ。

 海燕「本を見に行きましょう」

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

ということで,駅の南側にあるジュンク堂へ。BLの棚を前にして,現実が示す位置づけと腐女子層による自己規定との乖離について嘆き檄を飛ばす海燕さん。ハヤカワの棚を仰ぎ見て栗本薫を讃える海燕さん。
 そして,「これ読んだっけ?」といぶかしむまきがい(id:sikii_j)さんを取り囲んで「『夏期限定トロピカルパフェ事件』を読んだら悶えないはずがありません」「記憶に残っていないなら読んでいないに決まっています」「『秋期限定』と『冬期限定』を残して,あの展開ですよ?」「『春期限定いちごタルト事件』はプロローグに過ぎません」「『夏期限定』こそが〈小市民〉シリーズ本編です。」と暴れる一同。 
 本好きをどうにか店外に連れ出した後,次に案内されたのは―― 

 海燕ジェラートを食べましょう」

 新潟市立中央図書館(愛称:ほんぽーと)です。真新しい建物の正面左手は円形の空間になっており,カフェが併設されています。

押し寄せる子ども連れに分断されて最後になった私が遅ればせながらウマウマしていると,先に食べ終えた海燕さんは観光ガイドブックを取りだして,のたまいました。

 海燕「ケーキを食べに行きましょう」

そして呟くように「一人だと行きたくても行けないから……」とも。
 ということで新潟伊勢丹の『ルーテシア』へ。私は「オペラ」をいただきました。

こうしてイタリアとフランスを堪能したのですが,「どうも新潟に来たようなしない」との声があったので観光名所の万代橋へ足を向けます。来てもおしゃべりするだけでしたが。
 再び新潟駅へ戻ってぎをらむ(id:giolum)さんを迎え,ようやく今回の参加者7名が揃いました。夜の会食は和食処『旬花』。海燕さんに見つけてきてもらったお店でしたが,程よい味付けで美味しゅうございました。帰り際,女将に「皆さん,あまりお酒を召し上がられませんでしたね」と声をかけられたのですが,それはたぶん海燕スイーツセレクション・初夏〉が関係しています(笑)
 その後,二時間ほどカラオケ店で歌わずに話し込んでいました。『らくえん』とか,『SWAN SONG』とか。