西尾維新 『偽物語(上)』

 取り寄せしてあった西尾維新(にしお・いしん)『偽物語(上)』(ISBN:4062836793)が届きました。午前中にお仕事があって昼下がりに帰宅。遅い昼食のあと,ちょっと気晴らしのつもりで手に取ったら面白くて―― ふと我に返ったときには1/3ほど読んでしまいました。夜に残りを読了しました。
 今回は『化物語』の後日談。語り部・暦の上の方の妹がメインのはずなのですが,出番としてはさっぱり。というか,撫子/八九寺/委員長/ひたぎさんが出番を食っちゃってます。
 あれ? 
 確かヒロインは5人だったような…… サーターアンダーギーこと忍は別格として,もう一人,戦隊もので云うと青が割り当てられる格のがいたはず。ん〜 スポーツ少女はどうでもいいから積極的に記憶していないんだよもん。
 ともかく,前半はこれまでのヒロインを順繰りに訪問していくわけですが,会話の掛け合いが楽しい。
 後半ではトーンが変わり,正義論が話題の中心になります。なるほど,こういう構造だからペトロニウスさんは,あんな話題を持ち出してきたのか……。

 ただ,本作にしろ『Fate/stay night』にしろ,私にとっては最後の方は「どうでもいい」という感じなのです。それが象徴だとは分かっているのですが,それでも「強さ」が物理的暴力の行使という形態を採って表れてくると興味が無くなります。戦闘の描写で興味が湧くのはハンニバルの戦記と,テーブルトークのリプレイくらいかなぁ。