中部縦断旅行(飛騨高山)

 高岡(富山県)に連泊。もともとの予定では城端(じょうはな)へと旅するつもりだったのですが,昨日のうちに訪れる機会を得たので,まるまる1日が空いてしまいました。昨晩,ホテルでインターネットへ接続し,訪問先を思案。気分としてはもうちょっと合掌造りを文化的に味わいたいのだけれども,かといってバスを使って五箇山へ行くと離れた集落の間を移動できない。
 そこで,高山市岐阜県)へ行ってみることにしました。いつもはヨーロッパ旅行でも綿密にルート探索してから出かけるのですが,今回は珍しく下調べを殆どせずに出発。そのために早速トラブルが。みどりの窓口で帰りの切符も含めて手配したのですが,単純往復にしなかったために希望と異なる発券がされており,高岡→富山の特急券を持たない状態で特急「はくたか」に乗車。車内で730円を請求されました。わずか4駅(乗車時間12分),運賃320円の区間なのに随分と高い! もともとJRが嫌いなのですが,発券ミスのためにますます印象が悪くなりました(←度量が小さい)。でも高山までは高速バスの便数が少ないのでJRを利用せざるを得ません。
 富山駅を08時00分に出た「ワイドビューひだ6号」は,09時32分に高山へと到着。まずは現金を入手しようと金融機関へと向かいましたが,いずれも自分の利用している金融機関と提携がなく,少し離れた郵便局まで往復。久しぶりに珈琲を飲もうと思ったのですが果たせず,駅まで戻ってきて即バスに乗り込み「飛騨の里」へ。

飛騨地方にあった民家などを移築した歴史施設です。この施設が造られた契機は,昨日訪れた御母衣(みぼろ)ダムの建設。水没することになった家屋が他の地域に運び出されることを憂いた人々が,できるだけ飛騨に残そうとしたのだとか。岐阜県北部の文化が凝縮されていて,大変参考になりました。囲炉裏に火がくべられており生活の“臭い”が残っているために移築建築物が無機的な標本に陥ることが防がれており,運営姿勢も好感が持てます。つまらないものだったらさっさと帰るつもりでいたのですが,2時間かけて約20軒をじっくりと見てきました。
 ちなみに欧米からの旅行者率が異様に高かったです(皆さん周遊パスを持っていたので,それが理由でしょうか)。聞いていると非英語圏の割合も相当でしたので,展示に添えられた解説も多言語化した方がいいでしょうね。

 再びバスに乗って駅前に戻り,昼食に「ひだラーメン」をいただいてから風致地区へ。
 午後の始まりは高山陣屋から。江戸時代に幕府直轄領であった飛騨に置かれた役所。母屋は面白味がありませんでしたが,土蔵には史料が展示されており勉強になります。

川縁に出ると,見事な桜。


古い町並みをそぞろ歩きし,「日下部民芸館」「吉島家住宅」では内部も見学して桜山八幡宮へ。
 さて,ここで時刻は15時過ぎ。急いで駅へ向かえば15時22分の特急にも乗れるが,ちょっと名残惜しい。特急券を払い戻して15時55分発の普通列車に乗るというのも考えたが,それだと富山に戻る頃には日没を迎えているので急ぐ理由がない。そこで17時12分の特急で帰ることにし,古い町並みを逆方向に戻る。目指したのは三之町で見かけた杉玉。酒蔵で量り売りをしてもらい升酒を飲み,再び川縁に戻って花見酒気分と洒落込む。