東野圭吾 『白夜行』

 夜中にふとミステリが読みたくなり,積んであった本の中から東野圭吾白夜行(びゃくやこう)』(ISBN:4087474399)を選ぶ。
 19年前に起こった殺人事件で被害者であった男の息子と,容疑者であった女の娘。歩んだ道はまったく異なる2人であったが,2人の周囲では奇妙な出来事が起こる―― 随分と分厚く文庫では850頁ほどあるけれども,この分量がなければ終章でのカタルシスには至らないと納得。
 読後に残るのは実に奇妙な心情。感動でもなく,悲嘆でもなし。ただただ静かな幕引き。「サングラス」だけはいただけない超展開でしたが,それを除けば佳作でありました。