摩耶雄崇 『夏と冬の奏鳴曲』

 花粉症の症状を抑えるために夜は強めの薬を服用しているので,趣味の本を読む時間が眠気に削られてます。新書1冊を読むのに2週間かかったり。
 ここしばらくかけて読んでいたのは摩耶雄崇(まや・ゆたか)『夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)』(1993年,ISBN:4061817000)。『翼ある闇』を読んだときに本を投げつけそうになったという想い出があるので敬遠していたのですが,とある紹介記事(id:sinden:20071024:1193188835)で本格ミステリ十傑に挙げられていたので読んでおこうと。
 和音という女性の信奉者たちが,20年前に同居生活を多くっていた「和音島」。かつての住人達が同窓会として集まるということで,雑誌記者たる私が同行することに――というふうに始まるクローズド・サークルもの。最初の事件は早くに発生するのですが,その後はダレた展開が続きます。そうしたら,いきなり驚天動地(←文字通りに)が起こって幕引き。
 伏線を読み飛ばしていたのか? と思っていたところ,最後の頁でメルカトル鮎が出てきました。台詞を解釈できないできないので,どんでん返しにならない。
 何,これ…… 
 その後,読み解き(→「麻耶雄嵩とエラリー・クイーン」)を参照して(ひとまず)納得するまでは落ち着きましたが,独力では読みこなせない本でした。