西尾維新『新本格魔法少女りすか』

 先日,古本屋の棚を眺めていたところ西尾維新新本格魔法少女りすか』が置いてあって,通読していないことを思い出しました。雑誌『ファウスト』に掲載されていた第1話だけは読んであったのですが,そのときは特段掻き立てられるものはありませんでした。でもまぁ,これも縁だろうと購入。
 「魔法の国」である長崎から父を捜しに佐賀へとやってきた魔法少女りすかと,小学5年生・キズタカとが中心人物。魔法少女といってもファンシーさは著しく低く,魔法の発動条件である流血のせいでスプラッター。ストーリーにしても,倫理観への配慮を飛び越えてしまう西尾維新ですから相当にエグい。ただ,第2話を読んで漸くキズタカの精神構造の歪さを主題として捉えられるようになり,改めてシリーズへの興味を持てるようになりました。第2巻所収の第6話で「4番目の母親」が登場することによって,より深められます。
 さらに,第3巻所収の第8話によってキズタカとりすかの関係性がテーマとなるのですが…… 続きは次巻で!となっているのに第4巻は未だ刊行されていないという罠。そうとは知らずに読み進めてしまった私の飢渇感をどうしてくれよう。
新本格魔法少女りすか (講談社ノベルズ) 新本格魔法少女 りすか2 (講談社ノベルス) 新本格魔法少女りすか3 (講談社ノベルス)