吉野

 大学院に入学してからというもの,学会参加のために京都には何度かやってきておりました。新型インフルエンザ騒ぎのときには神戸にいた。昨冬には何故か2度も続けて急な大阪行きもありました。すると,関西圏では奈良が久しく空白域になっておりました。こうした経緯もあり,日本史の講義で紹介していながら訪れる機会を得られずにいた吉野へ足を運んでみる気になったわけです。

 0830に桜井の宿を退出し,まずは橿原神宮前駅の構内に設けられたコインロッカーに荷物を収納。駅を出て南西方向に15分ほど歩いてニュータウンを抜けて南妙法寺町に入ると,いかにも数百年前に集落が形成されたと思しき地区があります。ここでは『咲-Saki-』の第31局で扉絵に使われた場所を実地検分。




 戻りはニュータウンのなかを東へと突っ切り,岡寺駅から近鉄線に乗車して終点の吉野駅へ。ロープウェイに乗り継ぎ,山上に向かいます。銅鳥居では大きさに目を見張るべきなのでしょうが,単に目印として通り過ぎて横道へ。のどっち祠に詣でてきました。別段,法に触れるようなことはしていないはずなのですが,犬さんに吠えられるというのは嬉しいものではないですね……。

 あとは順当な観光で,金峯山寺吉水神社を巡ってきました。で,その吉水神社なのですが,南朝の御所が置かれた場所ということで世界遺産に指定されているというスペックに反し,管理者にはまったく盛り上げる気が感じられませんでした(^^;
 吉野水分(みくまり)神社にも行ってみたいと思い歩き出したのですが,地図が不正確であったため途中で道に迷いました。携帯のGPSを使って確かめたところ奥千本へと向かう道に分け入ってしまっていたのですが,幸い辰之尾集落に抜ける道があって本来の道程に戻ることはできました(戻りに確かめたところ,肝心の分岐点での道案内が非常に分かりにくいものでした)。が,どうも絵地図で見るよりも水分神社は遠いようだということが分かったため,訪問を断念。次の機会にはバスを使っていくことにしましょう。



 ロープウェイに乗って下山。近鉄吉野駅の横を通り過ぎて,1駅先の吉野神宮駅まで歩きます(たまたま列車の運行間隔が40分近く開いている時間帯だったため,歩いた方が早かった)。とはいえ,目的地は吉野神宮ではなく,駅の近くにある製材所。のどっちトンネルの舞台探訪をしてまいりました。正しくは「丹治避溢洪橋(たんじひいつこうきょう)」というらしい。



 橿原神宮前駅で荷物を回収し,南大阪線にて終着の阿部野橋駅へ。昨晩,吉野からKIX関西空港へと向かうJRには乗らずに済む方法,つまり近鉄から南海へと乗り継ぐ経路の確認のために地図を見ていたのですが,アベノから天下茶屋まで歩いていくのが良いのでは? と思いつきました。途中,高校の前を通りがかってしまったわけなのですが,偶々合理的な最短経路上に『咲-Saki-』第74局の扉絵に登場する階段がありました。