道立釧路芸術館 『平山郁夫展』


 続けて,釧路芸術館で開催されている『佐川美術館所蔵 平山郁夫展――大唐西域画への道』を観に行きました。
 玄奘三蔵を称えるべく薬師寺に献じられ《大唐西域壁画》。それを作者自身の手によって縮小版として作り直し,多くの人が観られるようにした――というのが今回の企画の中心で,そこに至る過程として数多くのスケッチが並べられています。が,私が感銘を受けたのは,入場して最初に掲げられた《出山釈迦》。1965年の作品で今回の出典作の中では最も古く,平山郁夫が画壇で認められるに至る契機となった作品の1つであるという説明が添えられておりました。抽象性が高く,説明を読まなければ「苦行によっては悟りを開くことができないと気付いたシャカが山を降りることにした場面」だとは分からないのですが,気高さと神々しさを感じさせる画面は圧巻でありました。