宮崎吾郎監督『コクリコ坂から』

 釧路内には映画館がなく,隣の釧路まで出かけなくてはいけません(紛らわしいが,釧路市と釧路町は別の自治体)。家からバスで行くと片道50分,料金は520円かかります。それが今日はバス料金が上限200円になるというので,お出かけしてきました。先に「今日は映画を観る」というのが決まっていて,上映作品は事後的に『コクリコ坂から』ということに。
 事前情報は監督が宮崎吾郎ということだけで,後は何も知らずに観たのですが―― 良い作品でした。
 まぁ,ベタベタのメロドラマで,最後は御都合主義だし,「あざとい」演出も多数なのだけれど…… そのうえでなお真正面からガール・ミーツ・ボーイの王道を仕立てられたら,これはもう,うがった見方を取っ払って楽しむのがよいかと。
 学園紛争が物語を駆動する要素の1つになっており,作中時間は1963(昭和38)年に設定されている。今さら? と思うところがあったので鑑賞後に出展を確認してきたのですが,1980年に『なかよし』で発表。あぁ,背景に〈乙女ちっく〉という出自を持つならば,こういう話の筋になるのも納得。