西尾維新『悲鳴伝』

 昨日,ひと仕事が終わり(そして新たな課題ができたのですが,それはさておき)久しぶりに本屋さんへ買い出しに(とらやメイトが“本屋さん”の区分に入るかもさておき)。で,西尾維新の新刊『悲鳴伝』(ISBN:4061828290)が出ておりましたので,買ってきてその日の内に読み終えました。
 ここしばらく《化物語》シリーズの印象が強かったのでエンターテインメントの作り手として属性が上書きされていたのですが,西尾維新って初期にはこんなの書いていたよなぁ――としみじみ思ってしまうのが『悲鳴伝』。『クビシメ〜』とか『クビツリ〜』のあたりの作風。
 主題として描かれているのは“文学少女”シリーズの竹田千愛シナリオ。ですが,もともと〈人間味〉について突き放した捉え方をする傾向にある西尾維新が主人公のモノローグとして自覚的に描写すると,実にえげつない(←褒めてる)。