postre

 レストランでメヌー・デル・ディア(今日の定食)を頼むと、最後にデザートがつきます。で、何を頼むか――という話なんですが。

 4年前、スペインを初めて旅行した時のこと。まだ知っている単語が少なかったもので、店員のいうスペイン語が全然聞き取れない。聞き取れた中で唯一知っていた“naranja”(オレンジ)を注文しました。すると、皿の上に、フォーク&ナイフと一緒にオレンジが。これでいったいどうしろと・・・(汗) しばらく硬直していたら、隣に座っていた妙齢の女性は、オレンジにフォークを突き刺し、ナイフで皮をむく(というか、はぎ取る)ようにして食べておりました。でも、どうみても下品。別な日には、マンサーナ(りんご)にしたこともあります。こちらは皮をむいて出されたものの、チョコレートソース&ホイップクリームをたっぷりかけて登場。

 それ以来、デザートを頼むときは、手間がかからず、心配のいらないもの ――例えば、フラン(プリン)とか、エラード(アイスクリーム)―― を頼むようにしておりました。

 しかしホームステイとなると、料理を選ぶことはできません。で、オレンジが良く出てくるんですよ〜 どうやって食べるのか観察したところ

1. まずオレンジを左手に持ち、右手でナイフを構える。
2. りんごをむくときのように、オレンジを回しながら皮を細く切り取っていく。このとき、表面に白い部分が薄く残るくらいの厚さにし、果汁を含む身の部分には傷を付けないようにする。
3. むき終えたら皿の上におき、あとはナイフとフォークでいただく。

というのが流儀のようです。手順[2]で、皮を最後までつなげられたら結婚できるという言い伝えがあるとか言っておりましたので、この家だけのやり方ではないようです。マンダリンの場合もあるのですが、これは日本のみかんと同じなので、手で皮をむいて食べます。

 先日は梨(もちろん洋ナシ)が出てきまして。同じようにクルクルとむいて食べておりましたら、「ナシのときには、そんなことする必要ないよ」と言われました。むぅ、やはり果物は危険がいっぱいです。