Seta

 先日、ヘスス教授が声をかけてくれました。「セタは好きかい? こんどの金曜日、大学が臨時休校になるから、一緒に採りに行こう」

 Seta? 思い浮かんだのは 「かすみ/みき/愛菜/悠」だったのですけれど、それは絶対に違う。辞書を引いてみると、キノコのことでした。はい、行きます行きます。

 そんなわけで、秋の行楽に行ってきました。お出かけ先は、バレンシアから100km離れたテルエルという所。湿気の多いところに行くのかと思ったら、草原と言うには草が足りない荒れ地で車が停まりました。探していくと、草の根元に白いキノコがあります。なんか、スペインでキノコ探しをするなんて意外〜。

 あまり数が集まらなかったので、場所を変えて再挑戦。こんどは、松林が舞台。――って、松の木の根本で採れるキノコって、あれのことですか!? 日本の意地を掛けて捜索にあたったのですが、こちらは収穫なし。そんな簡単に見つからないから、価値があるんだよね。

 このあたりは生ハムの産地ということで、工場へ寄って買い付け。教授2人は、生ハムを丸ごと1本ずつ購入。ひとつ10kgくらいで、価格は85ユーロ(11,000円)。私はというと、積極的に肉を食べようと言う気にはならないけれど、まったく食べないわけではないので500gの小片を購入。

 このとき不安があったのですが、家に帰って不安は現実化しました。生ハムは薄〜く切っていただくのですが、うまく切れないのです(汗) 厚さが通常比3倍くらいになってしまう……。

 その後、ヴィセン教授に昼食をおごっていただいてから帰宅しました。主菜は、たらのすり身のコロケッタ(コロッケの語源)。油の処理が面倒なため家では避けていたので、揚げ物は久しぶりでした。