Kansai dialecto

 私のスペイン語の先生、山下好孝(やました・よしたか)助教授が本を出しました。『関西弁講義』(ISBN:4062582929)です。
 数年前、北海道大学で「一般教育演習:外国語としての関西弁」が開講され、大人気を博しました。軽く単位が取れるだろうと踏んだ関西出身者が多数履修したところ、「関西弁は外国語だ」と音をあげたらしいです。地元局はもちろんフジテレビも取材も来て、日本経済新聞でも大々的に取り上げられました。それがきっかけで、今回、講談社 選書メチエの1つとなったわけです。

授業の目標
関西弁を通じて、自分の母語を見直し、対照言語学の基礎を学ぶ
到達目標
関西弁の音声、文法体系を学び、関西弁の運用能力をつけることを到達目標とする。受講生はグループに分かれ、関西弁の創作劇を作成する。その上演をもって期末試験に替える。

2002年シラバス より)

http://crab.hucc.hokudai.ac.jp:8080/keng/sfindinput.cgi
 氏のご出身は京都なので、もちろん関西弁のネイティブです。ちなみに奥様はイタリア系ブラジル人で、ご家庭内ではポルトガル語公用語。大学では、留学生向けの日本語教育を担当しておられます。昨年前期の半年間は、日本語教師として中華人民共和国までご出張…… とまあ、山下好孝研究室に出入りしていると、いろんな国と関わりが持てます(巻き込まれる、とも言えます)。

 関西人は声が大きいのではない。声が高いのである。関西人は関西弁を変えようとしないのではない。変えられないのである――。音韻、文法、語彙。標準語とは異なる独自の体系を持つ関西弁。北大の人気教師がユーモアを交えて綴る、関西弁の教科書。
講談社 BOOK倶楽部 より)

 著者がユーモアあふれる人物だというのと、語学教育において抜きん出た実力があるというのは間違いないです。書店で見かけたら、手に取ってみてください。私は未だ読んでいないので詳しくは知らないのですが、著者曰く「学術的に」書いたとのこと。
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2582929
http://www.isc.hokudai.ac.jp/www_ISC/staff/staff2.php
 ちなみに、山下先生は神戸市外国語大学イスパニア学科)のご卒業。メキシコにも留学されたことがあるとか。その縁で、スペイン語の御指導を仰いでおります。NHKスペイン語講座でおなじみ福嶌教隆(ふくしま・のりたか)教授の弟子筋に当たると自称しておられるので*1、私は「スーペル・ノリ」の孫弟子らしいです。
http://www.kobe-cufs.ac.jp/bukyoku/spanish/profesores.htm
http://www.nhk.or.jp/gogaku/2002/spain/performer/



【書評】
id:Nomade:20040311#p1
http://www.ytv.co.jp/announce/dokusho/column/0001-0100/0010.html道浦俊彦さん)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/t-kita/kansou1604.html(喜多哲士さん)
http://cse.niaes.affrc.go.jp/minaka/diary2004-02.html##26三中信宏さん)
http://homepage2.nifty.com/suzuki-kunie/diary0402.html#25(鈴木クニエさん)
http://homepage.mac.com/ytatsu/iblog/C566185499/E429761171/(ytatsuさん)
http://hatanaka.txt-nifty.com/ronda/2004/03/post_1.html(畑仲哲雄さん)
http://lcmx.net/blog/archives/000172.html(たけさん)

*1:正確には、東谷頴人先生の門下らしい。