Comida Brasilena

 海外在住日記
 スペインの大学は10月に始まります。12月下旬から1月上旬にかけてクリスマス休暇があり、1月で前期が終了。2月には前期試験があり、図書館が学生であふれます。3月に後期がはじまり、途中に1週間ずつ、ファジャス*1 と復活祭*2 とで休みがあり、6月に終了。そんなわけで、最近は大変です。試験に落ちた学生が、間断なく教官室を訪ねてきます。私が借りている研究室は、アンパロ助教授とヘマ助教授の部屋の片隅。最近は、周囲が騒がしくても自分の世界に入り込む術を身につけました(苦笑)。
 とにかく節目を迎えたのはめでたいということで、慰労会が開催されました。教職員ではないけれど学生でもないというコウモリみたいな立場の私ですが、声をかけていただいたので参加してきました。
 会場は、メスタージャ*3 近くのブラジル料理店。集合時刻は14時30分ですが、三々五々と集まってきます。乾杯の唱和という習慣はないので、先に席に着いた人からピーナッツをつまみに勝手に飲み始めます。およそ30分かけて全員が揃ったところを見計らって食事が出てくる。もちろん、学部長の挨拶などといった形式的なものも無し。これが西洋合理主義というものなのでしょうか。
 ちなみに、開始時刻が遅いのでは?と思われるかもしれませんが、これがスペインの標準的な昼食時間。勤務時間は、午前が09時から13時まで、午後は16時から20時まで。銀行や役所は午前中しか開いていないといった違いがありますが、それでも15時頃にたっぷりゆっくり昼食を摂ることに変わりはありません。
 さて、メニューです。野菜サラダ、ポン・デ・ケージョ*4、普通のソーセージ、血のソーセージ、炒めたタマネギを混ぜ込んだ白ご飯、牛肉さん、羊肉さん、鶏肉さん。そして焼パイン。
 なんかいつもの2箇月分に相当する肉を食べちゃいました。お肉は健康のために避けているだけで、嫌いなわけではないから、出されると食べてしまうのです……
 ――と思ったら、またお肉が出てきました。ドネルケバブが2種。先ほど果物が出てきたのでデザートだと思っていたのですが、あれはどうやら消化薬代わりにパインを食べて*5 もっとお肉を食べよう!という意図であったらしい。さすがに辛くなってきて減らしてもらいましたが、それでも通常比3箇月分のお肉さんを食べちゃったよ〜
 ようやく本当のデザートとしてケーキが登場し、エスプレッソ・コーヒーで口の中をさっぱりさせます。
 でも宴会は終わらない。かといって二次会という習慣は無いので、会場はそのままに、食後酒のグラスを手にして座席を移り、話し相手を変えます。飲み物はブラジルのカクテル、カイ・ピリーニャ。ビンガというサトウキビで造ったお酒がベース。グラスの底は砂糖を敷いてあり、刻んだライムも加えてあるので口当たりが良い。たっぷりと氷を入れた、夏の飲み物です。
http://www.kanshin.com/index.php3?mode=keyword&id=248451
http://www.president.co.jp/dan/20020800/04.html
 店を出たのは17時40分。5時間をかける昼食会というのは、日本ではまず無いでしょうねぇ(^^;)
 ちなみに私、ヘスス教授に 捕まり お招きいただき、お宅を訪問して 娘のアルバムを4冊見せられる ご令嬢の写真を拝謁するという光栄にあずかりました。
 スペイン人に限らず、ヨーロッパの人に食事へと誘われた時は覚悟していきましょう。飲み始めると、ものすご〜く長いです。白色人種はアルコールに強い、ということを実感すること間違いなし。夕食に招かれた時は、歯ブラシと着替えを持っていくくらいの覚悟をしておくのが賢明でしょう(事実、必要になったことがあります)。
 ちなみに、分かっていたのにうっかりしてしまった私、学校に鞄を置いてきちゃいました。家に戻ってくるのが22時を過ぎるとは思わなかったから……

*1:Fallas : サン・ホセの火祭り。3月19日の前5日間

*2:Pascua : パスクア。移動祝祭日。春分の最初の満月の後の日曜日の前1週間。

*3:Mestalla : バレンシアのサッカー競技場

*4:Pao de Queijo : チーズを練り込み、もちもちした食感に仕上げるパン

*5:パイナップルやパパイアには、タンパク質の消化を助ける植物性の酵素(プロメライン、パパイン)が含まれているのです。