イタリア旅行記 (5/6)

 フィレンツェ滞在2日目。

▼ ウフィッツィ美術館
 開場時刻(08時15分)に間に合うよう早起きして、ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)へ。フィレンツェルネサンス発祥の地と言われる証が、ここにあります。14世紀の芸術を支えたパトロンメディチ家の収集したコレクションが詰まった美術館です。とにかく混むことでも有名なので、事前に予約を入れていきました。
http://english.firenze.net/
 予約確認メールを持って引換所(3番窓口)に行くと、待たずに入場券と交換できました。予約済み入場口(2番窓口)では、10人ほどが列を作っているだけ。それにしても、開場時刻を過ぎているのに入場が始まっていないという、いい加減なイタリア人の所業のせいで待たされているのであって、実質は待ち時間ゼロでした。
 ここの収蔵品の名前を挙げていくと、きりがありません。ボッティチェリの『〜春〜』や『ヴィーナスの誕生』が、有名どころでしょうか。でも私は、第8室のリッピ親子や、第28室のティツィアーノが気に入りました。入場草々、ガイドブックを購入し(16ユーロ)、解説を読みながらじっくり鑑賞してきたのですが…… ここは日本人の団体旅行客が多いので、ほぼすべての名画の前で肉声ガイドを聞くことができます。わざわざ高いパックツアーに参加する必要は無いですね(笑) でも、彼らは名画だけを駆け足で見ていくので、やはり個人旅行の方が気楽でいいな。
 今回の旅では、大韓民国の経済発展をまざまざと感じました。ハングルのガイドブックを手にした旅行客の姿を見るなど、数年前には無かった光景です。特に韓国人女性は化粧の仕方も洒落てきて、見た目では日本人と区別がつきません。かろうじて男性は、髪型とか目元とかで分かりますけれど。解説の声が聞こえる美術館の中では、韓国の存在を強く感じました。
 あまりに名画が多く、U字形になった建物の折り返し点に来たところでヘトヘトになってしまいました。併設のバールに行って休息。ちょっと高いパニーニ(4ユーロ)を食べて栄養補給し、後半をこなしてきました。階下では改装工事が行われており、近く展示スペースが増える予定だそうです。楽しみではありますが、そうなったら昼食持参で行かなくてはなりませんね。
 地上階で絵葉書など買い求めて出口へ向かうと、郵便局がありました。ここで切手を購入。イタリアの郵便局は長蛇の列で、切手を買うにも数十分は待たされます。ここなら客も少ないですから、とても便利。しかも係員さん、「何マイ欲シイ?」と怪しいながらも日本語話しているし。

▼ 教会めぐり
 次に、町の東側にあるサンタ・クローチェ教会(L'Opera di Santa Croce)へ(4ユーロ)。教会としては大したことない場所だなぁと思ったら、右手の中庭の先に付属美術館もありました。通路に彫刻が並ぶ面白い空間があって、ここはいったい何だろうと思ったら墓石の列だったり(^^;) 墓に対する観念の違いがはっきり出ていて、興味深かったです。
 その通路の屋根にあたる部分に、薄衣をまとった少女のレリーフが置かれていたのですが、これが美しい。我を忘れて見とれていました。せめて絵葉書でもいいから欲しかったなぁ……
http://www.operadisantacroce.it/
 近くにある名店ヴィヴィオ(Viviorli)で、ジェラートをたしなむ(2.5ユーロ)。クリーム風味とイチゴ風味の組み合わせにしたのですが、濃厚な味わいに感動。ここのジェラートが、これまで知る中で最も美味でした。
 アルノ川に沿って進み、13時05分、こんどは町の西側にあるサンタ・マリア・デル・カルミネ教会(Santa Maria del Carmine)へ。ルネサンスの幕開けを飾るフレスコ画があるというので、行ってみました。鮮やかで軽やかな色彩は素晴らしいのですが、礼拝堂の入口部分しか見せてくれないので、拝観料(4ユーロ)に釣り合わないだろうというのが、偽らざる感想でした。

▼ ピサへ。
 14時00分発の列車に乗る。動き出したのは定刻の8分後というのは、もはや慣れっこ。およそ1時間で到着。駅前からはバスに乗車――しようとしたら、運転手さんに止められる。これは「空港行きの3番線」なので、道路を渡った向こう側の乗り場から乗りなさい、とのこと。あぶない、あぶない。
 およそ10分ほど揺られていると、いかにも観光地!という場所に到着。ぱっと見て「美しい」という言葉が出てくる場所です。通路に沿って、みんなが斜塔に向かって手を伸ばしています(笑) こういう時、ひとり旅はちょっと寂しい。
 15時20分、券売所で入場券を購入。斜塔への入場時刻は18時を指定されたので、それまでに周囲の観光をすることにします。洗礼堂に入って涼んでいると、突然、お静かに!という声とともに扉が閉められました。前に進み出た警備員のお姉さんが上空に向かって声を発すると、反響して重なりあうのです。最後の方だけ録音してきましたので、聞いてみてください。
http://sowhat.magical.gr.jp/ciao/psa/rosacanina.mp3
 それから大聖堂の内部を見学。しかる後、案内所にあるロッカーに手荷物を預け、いざピサの斜塔に挑みます。これは近くで見ると傾きが大きく見えるなぁ…… 基礎にあたる部分が、ごっそりと沈んでいるんだもん。しかし、中に入ってみると、石段が年月を経て磨耗しているため転びやすくはなっていますが、それほど大変ではありません。時間制限があって、降りる人と昇る人がすれ違うことは無い、というのも大事。フィレンツェの鐘楼では息を切らしてしまいましたが、あっけなく上部に到着。20分ほど眺めを楽しんでから帰りました。
▼ 夕食
 晩ご飯♪ 晩ご飯♪
 駅の西側にある「パスタリート・ピッツァリート」というレストランへ。しばしメニューの伊語と格闘し、野菜サラダとトマトソースのパスタを注文。
 ……ちょっと失敗。このお店、パスタの形状を自由に選べるのですが、いちばん上に乗っていたのを選んだら、まん丸い白玉ダンゴ状のが出てきたのですよ。あのですね、おいしい蕎麦とツユがあったとしましょう。分量は同じまま、ソバを細い麺ではなく、団子にしたらどうなるか、想像してみてほしいん。なんか、味が足りないの(^^;) しかもフレッシュ・パスタにしてみたものだから、食感も団子そのもの。相乗効果って恐ろしいですね〜