岳物語

 椎名誠岳物語」(1985年、ISBN:4087725243)読了。シーナ氏の嫡男、岳少年にまつわる私小説である。つい先日、野田知佑氏の著作「のんびり行こうぜ」を読んだのだが、同じエピソードが出てくる。同一の場面を、少しずつ視点をずらしながら著していくのは昨今のアドベンチャー・ゲームではお馴染みなので、それとて違和感はない。
 かつて、「ワンパクでもいい。たくましく育って欲しい」という加工食品のCMがあった。しかし21世紀になった今日、腕白少年というのは絶滅に瀕した種族としてレッドデータブックに掲載してもいいのではなかろうか。親が苦労しなければ《ワンパク》にはならないよなぁ。