マリみて

 今野緒雪の『マリア様がみてる』シリーズ第18巻「特別でないただの一日」(ISBN:4086004844)読了。
 学園祭における出し物についての記述をバッサリと削ぎ落としたところは英断だと感心しました。書かないというのは、書くこと以上に技量が要ることですからね。「とりかえばや物語」を山百合会ふうにアレンジするとどのように仕上がるのかは大変興味のあるところですが、たぶんそれだけで1冊になってしまうでしょうし。
 リリアン1年生トリオの中で動向に着目していたのは、細川可南子でした。話が1年生カルテットということなら、内藤笙子の応援にまわるんだけど…… ほら、私の研究テーマは、少数派をいかに擁護するかだからね〜
 そんなこともあって、可南子の家族状況にまつわるくだりについては、少々釈然としないものがありました。小笠原祥子の男性不信と差異を設けるための「道化」にされてしまったような気がしまして。はなはだ個人的な苦情ですが、あんな設定を出されてしまったため、いけない妄想をかき立てられてしまって困っています(笑)