森博嗣

有限と微小のパン (講談社ノベルス) 有限と微小のパン (講談社文庫)
有限と微小のパン
 S&Mシリーズの終幕(第10作)。東京に出張した犀川創平は、儀堂世津子の家に立ち寄り、とあるゲームの最後に仕掛けられた謎を耳にする。同じ頃、西之園萌絵は長崎のテーマパークを訪れていた。そこで、例の如く発生する「殺人事件」。
 ゲームとテーマパークを結びつけるものは、四季――
 これを本格推理小説として読むのは無理でしょう(^^;) というか、三次元空間に生息する者に対して、四次元で生じた事象を把握し認識しろというのは無理じゃないかな? かな? 
 何はともあれ、真賀田四季の存在があってこその本作。『すべてがFになる』が登場した衝撃には及ばない。

地球儀のスライス (講談社ノベルス) 地球儀のスライス A SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE (講談社文庫)
地球儀のスライス
 短編集。ミステリィには仕上がらないような読み物を集めた作品。
 収録された10作は、散漫な印象を与えるものが多く、少々物足りなさを覚える。「小鳥の恩返し」が、物語性の強さで相対的に好評価。